2012 Fiscal Year Annual Research Report
マダニ抗菌ペプチドの立体構造の意義と野生動物モニタリングシステムへの応用
Project/Area Number |
22590381
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
磯貝 恵美子 東北大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80113570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯貝 浩 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (50137436)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 抗菌ペプチド / マダニ / 野生動物 / ライム病 / 立体構造 / 抗体 / 生態系 / エゾシカ |
Research Abstract |
ダニや昆虫などの節足動物は,獲得免疫をもたず自然免疫のみで感染防御を行なっている。こうした節足動物は種の多様性に富み全動物種の8割以上を占めるまでに繁栄している。繁栄をもたらした要因にひとつに感染防御における自然免疫機構があげられる。この中でも抗菌ペプチドは主要な防御として機能していると考えられている。本研究では、マダニ抗菌ペプチドの活性と意義およびその応用について次の2点について検討した。1.共生微生物・病原体(ライム病ボレリア)の選択性に関与するマダニの抗菌ペプチド構造と機能を明らかにする。2.マダニデフェンシンを用いた野生動物モニタリングシステムによるマダニ媒介性感染症のリスク判断を行う。 In slicoの解析からマダニデフェンシンンシンは6個のシステインによって立体構造を構築していると考えられた。そこで3D構造体と非構造体のペプチドを合成し、抗菌活性を測定した。立体構造を持つことはその活性維持に重要であることが分かった。さらに共生微生物・病原体(ライム病ボレリア)の選択性に関与することが示された。 3D構造体と非構造体のペプチドを用いてマダニ暴露状況を知るために、野生シカのマダニデフェンシンに対する抗体応答を調べた。マダニ分布域と野生シカの抗体保有率および抗体価は強い関連性を示した。3D構造を持たないペプチドでは検出感度あるいは抗体価が低かった。さらに、マダニデフェンシンに対する抗体価とライム病ボレリアに対する抗体価は相関した。 以上の結果から、抗菌活性および抗原としての認識には立体構造が関与し、6個のシステインによって立体構造を構築した合成ペプチドは野生動物をモニタリング対象とした節足動物媒介性感染症のリスク判断に有用であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)