2012 Fiscal Year Annual Research Report
ピコルナウイルス持続感染を制御するLおよびL*蛋白の協調的細胞死制御機序の解明
Project/Area Number |
22590421
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
大原 義朗 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50203914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
姫田 敏樹 金沢医科大学, 医学部, 講師 (80340008)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | タイラーウイルス / 持続感染 / L蛋白 / L*蛋白 / アポトーシス / インターフェロン |
Research Abstract |
本研究では、LとL*による協調的な細胞死制御機序の解明を目指した。 Lは、I型IFNの産生を抑制する一方で、強い細胞毒性を発揮することも明らかである。そこで申請者らは、BHK細胞にLを一過性に発現させ、活性型Caspase-3等をWestern blottingにより解析することで、L発現細胞ではアポトーシスが誘導されていることを明らかにした。さらに、共発現系による解析から、Lの誘導するアポトーシスはL*により抑制されることを証明した【Okuwa et al. 2010. Microbiol. Immunol.】。 一方、L*の抗アポトーシス機序は、全く不明のままであったが、申請者らは、 L*にFLAG tagを付加した蛋白を用いてその細胞内局在を解析し、L*のミトコンドリア外膜への局在を初めて明らかにした。さらに、L*-GFP融合蛋白を用いた解析から、L*は41-70残基の間にミトコンドリア移行シグナルを持つことが明らかとなり、さらに、分子内相互作用によりミトコンドリア局在を制御していることも示唆された【Himeda et al. 2011. Virus Res.】。 以上より、LとL*による協調的な細胞死制御は、「LによるI型IFNの産生抑制と同時に起こるアポトーシスの誘導を、L*がミトコンドリア外膜において抑制する」ことによるものであることが示唆された。 また、L*欠損ウイルス(DAL*-3)では、ウイルス感染後のIFN産生の誘導が低下していることがRT-PCRの結果から示唆され、IFN産生に関してもLとL*は相反する作用を発揮し、その増減を協調的にコントロールしている可能性が考えられた【未発表】。そこで、ウイルス感染後のIRF-3の細胞内局在およびミトコンドリア形態変化の解析を試みたが、いずれも細胞変性効果が激しく、感染細胞内の様子を観察することは困難であった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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