2010 Fiscal Year Annual Research Report
医学教育アウトカム評価法としてのカルテピアレビューシステムの開発
Project/Area Number |
22590448
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀岡 淳一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30261621)
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Keywords | 医学教育 |
Research Abstract |
教育の評価には、インプット評価(どのような教育が施されているか)、アウトプット評価(終了時にどのような能力が獲得されたか)、アウトカム評価(どのような人材を生み出したか)の3種類がある。日本の医学教育において、前二者はなされているが、アウトカム評価はほとんどなされていない。そこで、アウトカム評価法の一つとして、「診療録ピアレビューシステム」の開発を計画した。具体的には、1)信頼性の検討(後方視的研究および前方視的研究)、2)妥当性の検討(前方視的研究)、3)実際のアウトカム評価、4)日本の医学教育のアウトカム評価の継続的システムの構築、の4段階を計画した。まず、長大な計画のため、国内外の識者を訪問し(マイアミ、東京、京都など)、種々のsuggestionsを得た。それに基づき、将来的なシステム構築を見据え、「各カルテコピーを評価者へ持参する形式」から「評価者が各病院に赴いてカルテを閲覧する形式」への変更を決定した。次に、東北大学病院内にコアメンバー委員会(7名で構成)を設置した(事前に依頼していた候補者の移動《教授として転出》等の理由で数か月遅れた)。次に、コアメンバー委員会で評価者の候補を挙げ、全国各地(鹿児島、東京、倉敷、熊本など)を依頼して回り、最終的に東北地方外の3名の総合診療医から承諾を得た。さらに、東北地方の研究協力病院を3つ選定した(事前に依頼していた協力病院から『電子カルテへの移行時期』等の理由から承諾を得られなかったこともあって数か月遅れた)。以上、後方視的な信頼性の検討の準備が整い、平成23年度は、サンプル診療録を用いてトライアルを行った上で、実際に診療録のレビューを行う予定である。
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