2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患の診療における医療の質を保証するためのシステム構築に関する研究
Project/Area Number |
22590490
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
茂木 孝 日本医科大学, 医学部, 助教 (30386205)
|
Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 医療連携 / 患者状態適応型パス / 急性増悪 / ベンチマーキング / ベストプラクティス |
Research Abstract |
22年度は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の1)一般的な診療構造および医療連携を可視化しこれをPCAPS(患者状態適応型パス)に移植する作業.および2)急性増悪の診療について連携プレーヤー毎のパス作成を行った.具体的には1)医療連携をかかりつけ医と病院専門医とに分けて,各診療フェーズを外来初診,基礎検査,専門検査,鑑別・合併症診断,確定診断,禁煙・生活指導,薬物療法,運動療法,酸素療法,NPPV療法,定期検査として各ユニットを行き来するための移行条件を整備した.酸素療法については将来の他疾患からの導入利用を見越してライブラリ化した.各診療行為における移行条件を設定しこれを検証することにより標準的診療内容の確立を目指すものである.次年度にかけて検証作業を行う予定である.2)COPD増悪時対応については患者,かかりつけ,病院医師,訪問看護に分けてそれぞれの役割と行動のアルゴリズムを整備した.またこれと並行して増悪時の現状対応を把握するため協力病院にて増悪入院時の治療内容の調査を行った.各診療フェーズをステロイド投与,抗生剤投与,β刺激剤投与,酸素療法,NPPV療法,呼吸リハビリテーションに分けこれらの開始から終了までの日数,開始・中止の理由を調べた.これらの結果は各診療内容をパス化した際の選択基準・移行条件となる可能性がある.またこの調査は各診療機関におけるCOPD増悪治療のベンチマーキングを実施することが可能となり医療の質を評価することに繋がり,さらにここから増悪治療のベスト・プラクティスを探すことに役立つと考えている.本年度は期間・施設とも少なく予備調査となったため,次年度に拡大して調査継続の予定である.
|
Research Products
(2 results)