2011 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲型血糖測定検査の感度・特異度からみた医療経済学的検討に関する研究
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22590492
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
坂巻 弘之 名城大学, 薬学部, 教授 (40317334)
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Keywords | 糖尿病 / GC/MS / 医療経済 / 仮想市場法 |
Research Abstract |
1.呼気試料中揮発性有機化合物の高感度分離・分析 ヒトの呼気中に含まれる揮発性成分の中でも、特に他の成分と比較して含有量が多く、疾患との関連が疑われるアセトンおよびイソプレンを高感度に検出する手法を構築した。具体的には、呼気試料中の揮発性成分を濃縮するための針型試料濃縮デバイスの開発および、濃縮した成分をそれぞれ分離した後にガスクロマトグラフィー/質量分析計(GC/MS)を用いて分析することが可能な新規キャピラリータイプの充填カラムの開発である。これにより、呼気試料中に含まれる種々の高揮発性有機化合物を迅速に濃縮した後に、それぞれ分離して、高感度に再現性良く検出することが可能となった。 また、医療機関に通院中の患者の呼気試料の分析を行い、健常者との比較や呼気中の揮発性成分と血液検査の結果との関連について詳細に検討を行ってきている。 2.仮想市場法アンケート調査 非侵襲型検査の価値評価のために、「仮想市場法」を用いた支払意志額調査のアンケート用紙を作成した。アンケート調査では、呼気採取の金銭価値を計測するものとし、実施可能性について検討を行った。188名からアンケートを回収し、支払医師額の平均値は1746円、中央値は1000円であったが、男女差、日常生活において運動や食事に関心を持っているか否かによって、違いが認められた。また、再検査の受け入れは概ね2割と推定されたため、次年度は、アンケート調査結果を元に検査としての評価分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初のスケジュールどおりに、研究実施のための手法の開発(呼気データ分析方法、経済評価の方法)が進んでおり、データの収集も進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施の過程において、比較的耐糖能が正常に近い患者では、呼気データと血糖値データとの相関にバラツキが認められることが明らかになった。今後、血糖値正常に近い集団でのデータ収集と分析を重点的に実施する予定である。
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Research Products
(5 results)