2012 Fiscal Year Annual Research Report
漢方薬によるがん患者のQOL向上:六君子湯のグレリン受容体を介した悪液質改善作用
Project/Area Number |
22590510
|
Research Institution | 独立行政法人国立がん研究センター |
Principal Investigator |
寺脇 潔 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (20572465)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上園 保仁 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (20213340)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | がん悪液質 / 六君子湯 / グレリン / サイトカイン / 食欲不振 |
Research Abstract |
本研究の目的は、食欲不振に臨床適応を有する漢方処方である六君子湯のがん悪液質に対する有効性、およびグレリン受容体を介した作用機序を基礎研究レベルで明らかにすることである。昨年度までに以下の成果を報告した。低分化型ヒト胃がん細胞株(MKN-45)由来の細胞株MKN45clone85および85As2を用いて、新規がん悪液質モデルラットを作製した。本がん悪液質モデルは、がん悪液質に特徴的な症状を示し、さらに血中グレリン値上昇、グレリン投与に対する反応性が低下しており、グレリン抵抗性が惹起されていることが示唆された。本がん悪液質モデルラットに対し、六君子湯は摂食量低下改善などの悪液質改善効果を示した。さらに、in vitroの検討から、六君子湯のグレリン受容体へのシグナル増強効果が認められ、六君子湯の悪液質改善効果には、グレリン受容体シグナル増強によるグレリン抵抗性の改善が作用機序の一部として寄与する可能性を示唆した。 当該年度では、1.本がん悪液質モデルの病態生理研究および発症機序の解明、および2.がん細胞に対する六君子湯成分の作用(in vitro)の検討を行った。 1.本がん悪液質モデルでは、活動期における自発運動量低下、安静期における消費カロリー亢進が認められた。悪液質誘発因子として炎症性サイトカインであるleukemia inhibitory factor (LIF)が関与している可能性が明らかとなった。悪液質誘発能は、MKN-45<MKN45clone85<85As2であり、85As2細胞では、Toll-like receptor(TLR)系のシグナルが活性化していることが明らかとなり、TLRやLIFが悪液質誘発能の相異に寄与している可能性が示唆された。 2.六君子湯含有成分は、がん細胞増殖を抑制し、特にNobiletinが強いがん細胞増殖作用を示した。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|