2010 Fiscal Year Annual Research Report
男性夜勤交代勤務者における性腺機能と前立腺疾患リスク
Project/Area Number |
22590557
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
森河 裕子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (20210156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
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Keywords | 交代勤務 / がん / 前立腺疾患 / 罹患 |
Research Abstract |
本研究は夜勤交代勤務が日内リズムの乱れからホルモン依存性のがん(男性においては前立腺がん)のリスクを高めるとの仮説を検証するために実施した。調査対象は富山県の軽金属製品製造工場の男性従業員である。本年度は2011年度に実施する本調査の基礎調査として、対象者の要因暴露量(夜勤交代勤務歴)を調査した。また、交代勤務歴とがん等の既往歴、生活習慣、身体所見と夜勤との関連を調査した。 2002年に交代勤務歴等に関する詳細な調査に回答があり2010年まで追跡できた2662人を解析対象とした。ホワイトカラーは912名、ブルーカラーは1748名であった。対象者が最も長く従事した勤務体制をみると、ホワイトカラーの94.4%が常日勤であったが、ブルーカラーでは53.7%が常日勤、10.8%が深夜勤務のない2交代、31.7%が深夜勤務のある3交代であった。 既往歴調査において、がんの既往があったものは43名(1.6%)であった。現在従事している勤務体制とがんの既往との間には有意な関連はなかったが、最も長く従事した勤務形態とがんの既往には関連が示唆される結果であった。最長勤務体制による4群のがん既往保有率は常日勤が1.5%、2交代が3.0%、3交代が1.4%、その他の交代勤務が4.0%であった。多重ロジスティックモデルを用いて、年齢、職種、喫煙歴を調整したところ、2交代、その他の勤務形態で常日勤に比べて高いオッズ比(2交代のオッズ比2.7、その他の勤務形態3.9)を示した。交代勤務者では睡眠の質が悪い、多量飲酒傾向があるなど好ましくない生活習慣の保有率が高い傾向があり、本調査ではこうした交絡因子も含めて検討する予定である。
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