2011 Fiscal Year Annual Research Report
労働者の健康と疾病休業におよぼすソーシャルキャピタルの意義に関する研究
Project/Area Number |
22590608
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
小田切 優子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90276907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 信雄 (独)国立健康・栄養研究所, 国際産学連携センター, センター長 (80243228)
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Keywords | ソーシャルキャピタル / 職業性ストレス / 精神健康度 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、職域のソーシャルキャピタルが抑うつや循環器疾患危険因子などの労働者の健康状態や疾病休業におよぼす影響について明らかにすることである。平成23年度は質問紙調査をあらたな事業場で実施したほか、平成22年度に調査した一事業場に対して1年後に質問紙調査による評価を再度実施し、1年間の所属部署のソーシャルキャピタルの変動と燃え尽き尺度や精神健康度の変化について、その関連を検討した。解析は1年目調査に回答、同意があった242名のうち部署の異動がなかった224名を対象に行った。検討の結果ソーシャルキャピタルの部署レベルの低下は、K6および仕事関連の燃え尽き尺度得点の上昇(悪化)と関連があった。個人レベルのソーシャルキャピタルの変動、努力報酬不均衡を調整しても結果は同様で、K6による精神健康度不良のリスクはOR=1.93(95%CI:1.02-3.67)(p=0.049)、仕事関連の燃え尽きが不良のリスクはOR=2.64(95%CI:1.39-5.02)(p=0.003)であった。また、別事業場で調査したソーシャルキャピタルを含む職業性ストレス要因と動脈硬化関連指標との関連を検討し有意な関連を認めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
職域ソーシャルキャピタルと精神健康度、動脈硬化関連指標との関係の検討は順調に進んでいる。しかしながら、ストレス調査への実施協力が得られる事業場はホワイトカラーが多く、様々な業種、職種を考慮した検討が十分に行えていない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度中に、平成22年度に実施したと同様内容の質問紙調査を行う計画を遂行し、2年間のソーシャルキャピタルの変動と精神健康度、疾病休業との関連を検討できる予定である。また動脈硬化危険因子についても1事業場の健康診断時に測定し評価指標に加える予定である。
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Research Products
(3 results)