2011 Fiscal Year Annual Research Report
長期ストレス暴露を証明する法医分子病理学的診断法の開発-下垂体を標的として-
Project/Area Number |
22590637
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鶴屋 伸一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 客員研究員 (90562108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池松 和哉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80332857)
中園 一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30108287)
坪井 貴司 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (80415231)
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Keywords | 長期虐待 / MtT/S細胞 / MicroArray法 / Stx11 / Sstr4 / Cftr / マウス / 下垂体 |
Research Abstract |
法医実務で経験する成人の虐待例において、剖検所見から決定的な「長期間のストレス持続」を証明する特異的な診断マーカーは全く知られていない。従って、長期に亘るストレス暴露に対する生体の反応を捉える新しい診断マーカーの同定が重要である。ラット下垂体線種細胞MtT/S細胞にコルチコステロンを添加しMtT/S細胞の経時的な遺伝子発現状態をMicroArray法にて検討したところ、培養後24時間以降にSyntaxin11 (Stx11)、Somatostatin receptor 4 (SStr4)、Cystic fibrosis transmembrane conducting regular homolog (Cftr)、Ras onocogene family 3a (Rab3a)、activating transcription factor 2 (Atf2)、cAMP responsive element binding protein 3-like 1 (Creb311)、cAMP responsive element binding protein 3-like-2 (Creb312)に有意な増減が認められた。 特に、Stx11、SStr4では200倍以上mRNAが増加していた。さらに、我々が開発したマウス長期ストレスモデルにおいて、下垂体のStx11、SStr4mRNAは長期ストレスにて有意に増加していた。今後、マウスモデルにおける蛋白質発現量を再確認したい。現在までに我々はパラフィン包埋した成人虐待症例を10例程度保有しており、症例数の増加は必須であり、他機関の協力を得ながら、ヒトサンプルにおいて、その発現を免疫組織学的に確認したい。 また、副次的なものであるが、Creb311、Creb312が短期ストレスモデル動物にて種々の臓器にて増加することもあきらかになった。この点についても検索を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的である長期ストレスのマーカー候補として、Sstr4、Stx11の発現が指標となることを明らかにした。蛋白質での検索を進めるのみであるので、このような評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
モデル動物でのSstr4、Stx11タンパク質発現を喫緊に検索したい。また、この結果を基盤にして、法医剖検例における両蛋白質の発現動態を明らかにしたい。
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