2011 Fiscal Year Annual Research Report
Dectin-1を介した樹状細胞制御に基づく炎症性腸疾患の病態解明と治療薬の開発
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22590697
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
藤山 佳秀 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70111896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 朗 滋賀医科大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90252395)
馬場 重樹 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (40422901)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / Dectin-1 / Schizophyllan / ドラッグデリバリーシステム |
Research Abstract |
我々はIL-23/IL-17axisの制御目的に樹状細胞などに発現するDectin-1依存性にSchizophyllan (SPG)というβ-1,3-D-glucanを担体としDNA塩基配列を細胞内に導入し炎症性腸疾患の新しい治療薬を開発することを目的とした。 Dectin-1はβ-1,3-D-glucanの受容体であり、状細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞に発現していることが分かっている。また、我々はIL-23に対するアンチセンスの遺伝子デリバリーとして着目しているのがSchizophyllan (SPG)である。SPGは三重らせん構造を有するβ-1,3-D-glucanであり、その三本鎖のうち一本にDNA塩基配列を組み込むことが可能である。 昨年度はIL-10ノックアウトマウスに対し、アンチセンスIL-12p19とSPGの複合体を3ヶ月間投与した。結果、0.01mg/kgのアンチセンスIL-12p19/SPG複合体を週に2回投与することにより、体重変化率や腸管湿重量・長さ比で腸炎の改善を認めたため、本年度はCD45RBhigh移入モデルを作成し、アンチセンスIL-12p19/SPG複合体を同様のプロトコールで投与し腸炎に与える影響を検討したが、体重減少率、腸管湿重量・長さ比で有意な改善効果を認めなかった。 腸炎モデルの違いが結果に影響を与えた可能性が十分考えられるが、より強力な腸炎抑制効果が発現できるターゲットを今後選定する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度実施したIL-10ノックアウトマウスを用いた検討結果と本年度得られたCD45RBhigh移入モデルを用いた検討結果に乖離があり、今後、治療ターゲットを変更する必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
以上の結果を踏まえ、治療ターゲットを変更し、IL-12p40やIL-6、TNF-αなどのアンチセンスやNF-κB decoyをSPGに組み込むことにより複合体を形成し、実験腸炎モデルにおける効果を検討する。
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