2011 Fiscal Year Annual Research Report
メチルグリオキザール修飾Hsp27蛋白質の同定と大腸癌における意義解明
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22590705
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
内藤 裕二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科, 准教授 (00305575)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 友子 (大矢 友子) 京都府立医科大学, 医学(系)研究科, 准教授 (80329648)
高木 智久 京都府立医科大学, 医学(系)研究科, 講師 (70405257)
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Keywords | 大腸癌 / メチルグリオキザール / 熱ショック蛋白質27 |
Research Abstract |
平成23年度は以下の研究を実施した。 研究計画1:大腸癌細胞株におけるMG修飾Hsp27蛋白質の意義に関する検討とMG修飾抑制剤の評価(伊藤)23年度は、大腸癌細胞株におけるMG修飾Hsp27蛋白質の意義に関する研究をさらに進め、Hsp27蛋白質を用いたMG修飾部位を質量分析計により詳細に解析し、その修飾形態を同定した.ならびにMG修飾Hsp27蛋白質をBioPorterにより細胞に導入した場合の細胞機能変化について、アポトーシス抵抗性、増殖能、Hsp27分泌能、シャペロン機能などを中心に解析し、MG修飾抑制剤の評価を実施した.MG修飾はアルギニン残基(Arg138)特異的であることを確認し、MG修飾がHsp27蛋白質のシャペロン機能を亢進させ、抗アポトーシス作用を増強させていることを見いだした.本研究の成果はBiochem Biophys Acta 1812:769-81,2011に報告した. 研究計画2:モデルマウスに対する運動療法介入試験による効果とMG修飾Hsp27蛋白質のマーカーとしての評価(内藤)すでにアゾキシメタン(AZM)による化学大腸発癌モデルを用いて運動療法による腫瘍抑制効果を確認しているため、前癌病変、腺癌病変におけるHsp27蛋白質、MG修飾Hsp27蛋白質を免疫組織学的ならびに免疫ブロットにより検出し、その意義を解明した. 研究計画3:臨床検体を用いたMG修飾Hsp27蛋白質の検出とマーカーとしての意義の検討(高木) 臨床研究を企画し、倫理委員会の許可を得た上で、23年度は大腸腺腫、早期癌、進行癌、その背景正常粘膜の内視鏡下生検試料を用いて、少数例でのHsp27蛋白質、MG修飾Hsp27蛋白質を免疫組織学的ならびに免疫ブロットにより検出し、それらの成績に基づいて多症例での研究計画を作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Hsp27タンパク質のメチルグリオキザール修飾のアミノ酸残基特異的修飾部位の質量分析計による解析を終了し、その特異的部位ならびにその修飾の抗アポトーシス作用についての解析を終了し、Biochem Biophys Acta 1812:769-81,2011に報告することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
MG修飾Hsp27導入による細胞機能変化の詳細研究を進め、特にシャペロン機能にとって重要なHsp27蛋白質の重合化ならびにリン酸化との関連について解析する.さらにHsp27は細胞外に分泌されることが報告されているため、MG修飾、リン酸化の影響について評価する.また、高血糖下培養におけるMG修飾Hsp27を検出し、その抑制系のスクリーニング系を確立する.
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