2010 Fiscal Year Annual Research Report
微小管構造のC型肝炎ウイルス増殖における役割とその抗HCV薬ターゲットの可能性
Project/Area Number |
22590724
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
山下 篤哉 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (00334871)
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Keywords | ウイルス / 内科 / 治療薬 |
Research Abstract |
本研究は、我々が見出した抗真菌剤Griseofulivinや抗癌剤Paclitaxelの抗HCV抑制効果の作用機序を解明し、更に、それを基に治療薬開発に繋げることを目的とする。具体的には、これら化合物が細胞内の微小管の構造を変化させることにより、HCVウイルス複製・増殖の低下が起こるという作業仮説を立て、ケミカルバイオロジー的なアプローチでその機序を解明する。 本年度は、まず、微小管の構成タンパクであるα-tubulinおよびβ-tubulinとHCVのウイルスタンパクの相互作用をするかについて、免疫沈降法により確認を行った。その結果、α-tubulinおよびβ-tubulinタンパクとHCV NS3及びNS5Bが相互作用している可能性があることが示唆された。更に、この相互作用を定量的に測定出来る系として、Bl-molecular fluorescent complementation法を用いた測定法を構築中である。今後は、これらの系を用いて、抗真菌剤Griseofulivinや抗癌剤Paclitaxelの抗HCV効果と微小管の構造との相互関係について検討を行う予定である。 また、我々は、Griseofulivinの様々な誘導体を入手していることから、これら誘導体について、HCVレプリゴン細胞を用いて、抗HCV抑制効果を調べた。現在、15種類ほどの誘導体についてその抗HCV抑制効果を調べた結果、4種の誘導体Griseofulivinより強い抗HCV効果が見られた。また、ほとんど抑制効果が見られない誘導体も1種見出した。今後、更に、他の誘導体の抑制効果も調べた上で、化合物と抗HCV抑制効果の構造活性相関の調べ、化合物側からもその抑制効果の機序を解明する。
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