2012 Fiscal Year Annual Research Report
HCV感染症におけるトリプトファン代謝酵素による免疫トレランス誘導機構の解明
Project/Area Number |
22590730
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠原 彰紀 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70214286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平松 直樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30362700)
考藤 達哉 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80372613)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | HCV / IDO / トリプトファン / キヌレニン / 樹状細胞 |
Research Abstract |
HCVの持続感染成立、抗ウイルス療法に対する抵抗性、肝発癌には免疫異常が関与している。HCV感染症では様々な免疫細胞に機能低下が認められるが、免疫細胞へのHCV感染効率は低いことから、HCV感染非依存性の機序が想定される。本研究では、HCVによる免疫能低下機序として、HCV感染細胞(肝細胞、免疫細胞)が非感染細胞にトレランス誘導能を付与するというInfectious toleranceを想定し、そのメディエーターとして、トリプトファン代謝酵素(Indoleamine 2,3-dioxygenase, IDO)の関与を明らかにすることを目的とする。初年度の研究で、1)C型肝炎患者の血漿中キヌレニン濃度(Kyn)(IDO活性の指標)は非感染者より高値であること、2)血漿中Kyn値の増加に免疫細胞(樹状細胞)の関与が考えられること、3)C型肝炎患者の樹状細胞は炎症刺激によってIDO活性が亢進し、制御性T細胞の誘導に関与すること、などが明らかになった。前年度の研究では、C型慢性肝炎患者160人を対象とした解析によって、1)血漿中Kyn値は、肝組織でのActivity(A因子)、Fibrosis(F因子)と正相関を認めること、2)他の臨床マーカー(年齢、性別、HCVRNA量、HCVセロタイプ、IL28B SNP major/minorなど)とは相関を認めないこと、3)IL28B SNP minor群に限っては、血漿Kyn値が低い方がSVR率は高いこと、4)C型慢性肝炎患者末梢血中の制御性T細胞頻度は血漿キヌレニン値と正相関することなどが判明した。以上の結果より、C型慢性肝炎では、肝臓の炎症、線維化の進展にともなってIDO活性が亢進しており、樹状細胞におけるIDO活性の亢進は、制御性T細胞の誘導を増加させることで、HCVの持続感染やIFN治療における難治要因となることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)