2011 Fiscal Year Annual Research Report
多能性幹細胞を用いた心筋組織の人工的構築と再生治療法の開発
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22590816
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
原田 光一郎 独立行政法人国立循環器病研究センター, 心臓血管内科部, 医長 (30402902)
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Keywords | 分化 / 発生 / 幹細胞 / 再生医学 |
Research Abstract |
心筋細胞の発生は、発生初期の胚に存在する心臓発生領域において多段階的で複雑な遺伝子発現に基づいて分化が進行することが知られている。周囲の内/外胚葉から分泌される細胞増殖因子の刺激により間葉系細胞において転写因子活性を生じる。しかし幹細胞が心臓中胚葉発生プロセスに入る分子機構は不明である。 我々は心臓中胚葉分化を選択的に誘導し決定する機構を「心臓中胚葉発生の初期プライミング因子」と名づけて探索を開始し、現在までに合計6個の初期プライミング因子の単離同定に成功した。現在Crossveinless-2(Cv2)に注目し解析を進めている。 マウス胚を用いてwhole mount in situ hybridization法によりCv2と他の分化関連因子の発現パターンとの比較を行っている。Cv2と同様の生物学的特徴をもつタンパク質にNogginがあげられる。Cv2とNogglnのin vivoでの発生時期における発現局在様式に関して検討したが、Cv2のみが発生初期過程の心臓発生領域に発現していた。mRNAレベルでの検討も行ったが、先の結果と同様に、Nogginの発現は心臓発生領域には発現を得られなかった。Cv2は発生初期過程の心臓発生領域に発現し、幹細胞の心臓中胚葉誘導と心筋分化を促進するメインプレイヤーである可能性が示された。一方、Cv2遺伝子変異マウスでは仔の成長遅延が示されている。Cv2-Blue miceの変異形式による胚発生早期への影響(心血管系への影響)を観察中である。このモデルを用いて初期心臓にCV2が発現する事を発見した。詳細な発現経過の解析、発現細胞種類の同定進めると共に、心臓形成時期での他の因子との関係を探索している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現行解析を行っている因子以外の因子に関しての解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究をスピードアップする目的で、 1:当該因子と同じ解析方法を適応させる 2:他因子に関しては、当該因子と同様の単独解析ではなく、相互の関係を明らかにすること優先する
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