2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規細胞表面線溶活性発現機構の血管内皮バリア機能制御における役割の可視化解析
Project/Area Number |
22590826
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 優子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20345812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 哲盟 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50193967)
渡邉 裕司 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50262803)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 線溶活性 / 可視化解析 / 組織型プラスミノゲンアクチベータ / 内皮バリア機能 |
Research Abstract |
これまでに培養血管内皮細胞からの線溶活性化因子tPAの分泌動態の可視化解析を通して、分泌後のtPAが重鎖を介して細胞表面に滞留する現象を報告してきた。22年度研究では、分泌後の滞留tPAの酵素活性発現の解析を進め、血管内皮上で高い線溶活性を維持する機構を明らかにすることを目的とした。 tPA-GFP発現血管内皮細胞に蛍光標識プラスミノゲンを添加し経時的に観察すると、プラスミノゲンは滞留tPAと共局在を示すほか、細胞表面/周囲基質蛋白にも経時的な集積増強を示し、これはリジン結合部位を介した特異的結合であることが判明した。プラスミノゲン集積増強は、tPA活性あるいはプラスミン活性依存的であったことから、細胞表面で生成されたプラスミンが、細胞表面/周囲基質蛋白を分解することで新たなC末端リジンが露出し、更なるプラスミノゲン結合の場を供給するという細胞表面でのプラスミノゲン活性増幅機構が明らかとなった。また単層培養血管内皮上に蛍光標識フィブリノゲン、トロンビン、蛍光標識プラスミノゲンを添加して作成したフィブリン網の溶解過程を共焦点レーザ走査顕微鏡にて可視化したところ、tPA-GFP発現細胞を起点にフィブリン溶解は拡大し、先行する溶解縁に限局してプラスミノゲンが集積することが明らかとなった。以上を血管内皮細胞表面における線溶活性発現-増幅機構として報告した(*23年: Suzuki Y.et al. Blood 118:3182-3185,2011)。 さらに23年度以降、血管内皮機能に対する線溶酵素の役割の解析を進める予定である。
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