2010 Fiscal Year Annual Research Report
慢性腎臓病・心血管疾患の発症進展における遺伝子環境相互作用の解明
Project/Area Number |
22590888
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 睦晴 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座講師 (70426500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今井 圓裕 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (00223305)
安田 宜成 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (60432259)
本多 裕之 名古屋大学, 工学系研究科, 教授 (70209328)
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Keywords | CKD / SNP / バイオインフォマティクス / CVD / 環境因子 / 遺伝子環境相互作用 |
Research Abstract |
CKD(慢性腎病)は持続的な糸球体濾過量の低下と蛋白尿を呈する疾患群であるが、末期腎不全→透析導入のリスクであるばかりでなく、その初期の段階から血管障害・動脈硬化を併発して心血管疾患(CVD)の独立した危険因子となることが注目を集めている。その重要性は認知されてきてはいるが、更なる啓発と有効な治療法、及び生活習慣改善方法の確立が待たれている。 当研究は企業健診結果、及び生活習慣等の環境因子と、対照検体から抽出したSNP解析により、CKD・CVD発症進展に関わる遺伝子環境相互作用を検討するものであるが、その最終目的は、患者毎の体質に応じたオーダーメード治療によりCKD・CVDの発症予防、重症化阻止を目指すものである。さらに、もう一つの特徴は強力な医工連携・産学連携の成果、既存の企業健診資料ならびにDNAを生かして、CKD・CVD発症・進展を予測する新たなSNPチップを短期間で開発することである。これに関しては、160SNPの設計を行い、実際に110SNPの設計が成功している段階であり、今後更に増加する予定である。 現在、当初の予定通り健診結果解析、及びCKD群・健常群の抽出は終了し、環境因子としての栄養摂取量の解析が順調に進行している段階である。解析が終了すれば、企業成人におけるCKD発症進展と摂取栄養素に関する新たな知見が期待される。 また、SNPに関しても、既に予定通りCKD関連SNP同定・プローベ設計は終了し、実際にSNP解析の段階である。 上記の完了後、最終的に環境因子と遺伝因子の統合解析を行うことによりCKD・CVDに関わる遺伝子 環境相互作用が明らかとなれば、自身の体質情報を予め知ることで、疾病に至る前に生活習慣改 善への取り組み、あるいは体質に合った治療法を選択することで、CKD・CVDの発症・重症化を予 防・抑制できると期待される。
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