2010 Fiscal Year Annual Research Report
ループス腎炎の病態発現におけるインターフェロン制御因子5の作用の解析
Project/Area Number |
22590893
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
多田 芳史 佐賀大学, 医学部, 講師 (70284627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小荒田 秀一 佐賀大学, 医学部, 助教 (50304887)
長澤 浩平 佐賀大学, 医学部, 教授 (00108721)
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Keywords | 全身性エリテマトーデス / ループス腎炎 / インターフェロン制御因子 |
Research Abstract |
IRF-5欠損MRL/lprマウスを作製し、自己抗体、免疫細胞分画、腎病変、生存率などについて、コントロール(IRF-5+/+MRL/lprマウス)と比較検討した。 1.生存率.生存率はコントロールに比べて著明に改善した(1年生存率:87.5% vs 0%)。さらに+/-マウスでも予後の改善が認められた。 2.自己抗体.抗dsDNA抗体は、IgGの各サブクラスでは低下し、特にIgG3抗体は検出感度以下だった。しかしIgM抗体は変化なかった。さらにIgGクラスの抗RNP抗体や抗Sm抗体も-/-マウスでは検出できなかった。抗核抗体値も同様に著しく低下していた。 3.免疫グロブリンレベル.IgG3のみ軽度低下していたが、他のIgGサブクラスやIgMについては有意な差はなかった。 4.ループス腎炎.HE染色、PAM染色、PAS染色では糸球体病変、間質病変、血管炎ともに著明に改善していた。糸球体へのIgGや補体の沈着も減少しており、特に補体C3で顕著だった。糸球体内部へのCD4陽性T細胞やマクロファージの浸潤は減少しており、間質ではマクロファージの浸潤が減少していた。また、腎皮質でのサイトカインの発現をみると、TNF-αやIL-6、RANTESのmRNA発現レベルが低下していた。 5.脾細胞分画.脾臓の重量はコントロールに比べて低かった。細胞分画ではCD4細胞の減少と、B細胞の増加が認められた。CD4陽性T細胞の分画では、活性化T細胞、メモリーT細胞の減少が認められた。またマクロファージと形質細胞性樹状細胞は増加していた。
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