2012 Fiscal Year Annual Research Report
腎尿細管間質線維化における細胞内シグナルの相互作用に関する研究
Project/Area Number |
22590896
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
森本 善文 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (90191048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村垣 泰光 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40190904)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Trps1 / 線維化 / TGF-beta / BMP7 / 上皮間葉転換 |
Research Abstract |
我々は腎臓内でのTrps1の発現様式について検索を行った。胎生腎ではTrps1は尿管芽上皮細胞、cap間葉細胞および腎小胞に幅広く発現していることを見出した。Bmp7が腎臓の発生に重要であることから、Trps1との関係を検索したところ、Trps1がBmp7の下流で働くことを示した。Trps1欠損マウスではネフロン形成において、間葉上皮転換が障害されること、また尿管芽の枝分かれ(branching)が抑制されることを示した。一方、成人マウスの腎臓ではTrps1は尿細管上皮で発現していることを見出し、片側尿管結紮による腎尿細管間質線維化モデルにおいてTrps1ヘテロ欠損マウスでは野生型マウスに比較して、上皮間葉転換による線維化の程度が亢進することを見出した。In vitroおよびin vivoの実験でTrps1はSmad7の分解に関連するArkadiaを抑制しているが、Trps1が減少することによりArkadiaが増加してSmad7蛋白量が減少することにより、結果的にリン酸化Smad3が増加してTGF-betaが亢進するという分子機構を示した。またTrps1欠損マウスにおける腎臓発生においてもArkadia1などの発現亢進により、TGF-beta/Smad3シグナルが亢進していること示した。これらのことよりBmp7とTGF-betaはお互いに陰と陽の関係にあり、Bmp7はTrps1を発現させることによりTGF-betaシグナルを抑制するという分子機構が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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