2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳GTPシクロヒドロラーゼIの生化学的研究によるドーパ反応性ジストニーの病態解明
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22590941
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
古川 芳明 順天堂大学, 医学部, 教授 (10219107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 秀樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50286746)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | GTPシクロヒドロラーゼI / テトラヒドロビオプテリン / ドーパ反応性ジストニー / 神経化学 / 剖検脳 |
Research Abstract |
ドーパ反応性ジストニー(DRD)症例の多くは、テトラヒドロビオプテリン生合成経路の律速酵素であるGTPシクロヒドロラーゼIの遺伝子に異常を有しているが、ヒト脳内GTPシクロヒドロラーゼI蛋白質量の報告はなくDRDにおける病態も不明である。ヒト剖検脳を用いて世界で初めてGTPシクロヒドロラーゼI蛋白質の定量を行い、昨年度までに、この蛋白質の正常剖検脳における発現は赤核・黒質・淡蒼球・被殻・尾状核で高いこと、および、GTPシクロヒドロラーゼI蛋白質量はパーキンソン病と多系統委縮症の被殻と尾状核で正常者と比較し有意に低下しているが、DYT1ジストニーでは変化が認められないことを報告してきた。本年度、世界に現在3例しか存在していない、生化学的実験用に保存されているGTPシクロヒドロラーゼI欠乏性DRD剖検脳を検索した結果、GTPシクロヒドロラーゼI蛋白質量の低下は、被殻と尾状核の両者において3例ともに、パーキンソン病で認められた50%から60%の減少よりも著しく、この常染色体優性遺伝を示すDRDでは転写または翻訳レベルで、dominant-negative効果が存在していることが示唆された。また、病理学的に正常であった生後1日目から99歳に至る74例から得た被殻を用いて、ヒト脳の発達と老化がGTPシクロヒドロラーゼI蛋白質量に及ぼす影響を検討した結果、この蛋白質は生後1日目から28日目まで急激に増加し、その後14歳までプラトーとなり17歳から減少を示すことが明らかとなり、GTPシクロヒドロラーゼI欠乏性DRD家系で認められる成人発症パーキンソニズムに関しては、加齢に伴う線条体GTPシクロヒドロラーゼI蛋白質・テトラヒドロビオプテリンの減少が、その発症に強く関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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