2012 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血後の神経細胞死と血管新生におけるCDK5活性の役割とその制御機構
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22590942
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
永田 智香子(仁藤智香子) 日本医科大学, 医学部, 講師 (30409172)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Cdk5 / 局所脳虚血 / 血液脳関門障害 / 神経細胞死 / 血管新生 |
Research Abstract |
中枢神経系において、サイクリン依存性キナーゼ5(Cyclin-dependent kinase 5:Cdk5)は、その異常活性化が神経変性疾患や脳虚血状態においてアポトーシスや神経細胞死に直接的に関与していることが知られている。特に脳虚血においては、回復期の血管再生(angiogenesis)をはじめとする修復過程でCdk5の活性化が必要とされているが、そのメカニズムについてはまだ解明されていない。また、Cdk5はantiangiogenic therapyのターゲットとして新しい脳梗塞治療の基盤となる可能性がある。そこで、マウス一過性局所脳虚血モデルを作製し、Cdk5活性やCdk5活性化蛋白p25/p35、VEGF等の発現について、虚血直後の細胞障害およびその修復過程における経時変化や脳内における局在を検討した。マウス中大脳動脈を一過性に閉塞後、再灌流し、6時間、1日、3日、7日後に断頭、虚血側大脳皮質を切り出し、Cdk5活性、p25/p35蛋白の発現レベルについて、ELISA法、ウェスタンブロット法、免疫組織化学法等を用いて調べた。血液脳関門障害の評価には、Evans Blue法を用いた。再灌流6時間において、Cdk5活性およびp25/p35の発現は上昇し、3日後で低下するも7日後に再び上昇した。また、再灌流1日後において、p25/p35は梗塞部の神経細胞に著明に発現し、それはTUNEL染色陽性細胞に局在していた。3日から7日後においては、p25/p35は梗塞辺縁部の微小血管に最も著明に発現しており、同時にVEGF蛋白発現の上昇も認めた。Evans Blue leakageについては、虚血再灌流3日後においてピークを認めた。これらのことより、Cdk5は局所脳虚血後の神経細胞死のみならず、その回復期におけるangiogenesisに関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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