2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経疾患でのミクログリアの病態発現に果たす役割の解明と診断治療への応用
Project/Area Number |
22590945
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
武藤 多津郎 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60190857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 誠 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (10187297)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ミクログリア / 情報伝達 / チロシンリン酸化 / 中性糖脂質 / 脂質ラフト |
Research Abstract |
最近のミクログリア(MG)を巡る研究展開より、種々の神経疾患でその各々の病態形成に主要な役割を果たしていることが明らかとなっている。これらMGが病変部位で病態形成に如何に関与しているのか、即ち神経保護作用を示しているのかあるいは神経障害的に作用しているのかについてはその全貌は明らかになっていない。我々はこの問題を明らかにするため、神経保護的MGと神経障害性MGのcharacterを糖鎖生物学的に解明することを試みた。その結果、1)神経保護的あるいは神経障害的MGで糖脂質特に中性糖脂質含量が大きく異なること、2)中性糖脂質含量を化学的あるいは細胞生物学的にモジュレートすると互いにその表現形質が変換できること、3)この、中性糖脂質含量の差を利用して、実際の患者脳での病変部位に集簇するMG機能を類推できる可能性を見出した。さらに4)この中性糖脂質含量が大きく異なる分子機序の解明を試み、神経障害的MGでは中性糖脂質合成酵素蛋白が著減していることを明らかにした。さらに、炎症反応のメディエーターとして、既に末梢白血球上でlactosylceramide(LacCer)が局在するLacCerドメインがMGにも存在すること、LacCerに対する抗体は神経保護的MG内の蛋白チロシンリン酸化を誘導するが、神経障害的MGには影響を及ぼさないことを明らかにした。抗LacCer抗体が神経保護的MGの機能を如何にモジュレートするかその実態解明を予定したい。今後、この合成酵素蛋白量の著減の分子機序を明らかにする事で、如何に効率的に神経保護的MGへの形質転換を促進させるかその戦略を追求していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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