2010 Fiscal Year Annual Research Report
高コントラストMRイメージングによる頸動脈プラークの性状判定法の確立
Project/Area Number |
22590963
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
寺山 靖夫 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70146596)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 邦昭 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00305989)
人見 次郎 岩手医科大学, 医学部, 教授 (00218728)
佐々木 真理 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80205864)
水野 昌宣 岩手医科大学, 医学部, 助教 (70382603)
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Keywords | 頸動脈プラーク / 磁気共鳴画像 / 頸動脈超音波 / 脳梗塞 |
Research Abstract |
(1)高コントラストMRプラークイメージングの撮像パラメータの最適化 頸動脈超音波検査で低輝度プラークを認めた患者9名で、1.5TMRI(Ecbelon Vega日立メディコ)を用いて、頸動脈分岐部のhybrid radial scan併用SE法T1強調画像(TE 12ms, FOV 18cm, matrix256×256, slice厚4mmを、TRを500ms, 700ms, 900msと変化させて撮像した。得られた画像のプラークの筋肉に対する相対信号強度を算出し、TRが異なる三種類の画像における差異を検討した。その結果、プラークの相対信号強度はTR500msで1.36±0.49、 TR 700msで1.18±0.38、 TR 900msで1.10±0.27と低下傾向にあった。出血や脂質を反映する相対信号強度が高いプラークはTRが延長すると低信号化する傾向にあったが、線維成分を反映する相対信号強度が低いプラークの信号はほぼ一定であった。 (2)高コントラストMRプラークイメージングと組織所見、超音波所見、術後MRI所見との比較検討 (1)で得られた撮像パラメータに基づき、頸動脈内膜剥離術(CEA)術前患者16名に、1.5T MRIを用いて頸動脈分岐部のself-navigated radial scan心電図非同期T1 WI (TR/TE : 500/12)、 PDWI(3000/12)、T2WI(3000/80)を撮像し、同側胸鎖乳突筋に対するプラークの相対信号強度(CR)を算出した。頸動脈超音波検査には3D超音波装置(VOLUSON730 Expert, GE)を用い、MRIと同一箇所の断層像を作成し.プラーク輝度を等輝度、不均一低輝度、均一低輝度に分類した。上記画像所見をCEAで得られた病理標本と比較検討した結果、T1WIにおいてのみ出血性分は高信号(CR 1.65-2.29)、脂質成分は中等度信号(1.10-1.51)、線維成分は等信号(0.92-1.04)を呈し、プラーク性状の識別能は良好であった。この結果から心電図非同期T1WIは、PDWI、 T2WI、超音波検査に比し、プラークの病理所見と良く対応し、プラーク性状判定法として有望と考えられた。
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