2012 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞を利用した遺伝性血液疾患の遺伝子治療法開発
Project/Area Number |
22591071
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
菅野 仁 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (70221207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 憲三朗 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (00183864)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 先天性溶血性貧血 / 動物モデル / 造血幹細胞移植 / 赤血球酵素異常症 / 単一遺伝子疾患 |
Research Abstract |
先天性溶血性貧血の一型であるピルビン酸キナーゼ(PK)異常症は解糖系酵素異常症の中で最も頻度が高い常染色体劣性遺伝疾患である。重症例は子宮内胎児死亡や新生児死亡の原因となり、無効造血を伴うことから二次性鉄過剰症を合併することも多く、患者のQOLは著しく不良である。本症の根治療法は造血幹細胞移植であるが、ドナー不足の問題や稀少疾患であるが故に移植の報告も国内外で2件あるのみである。本研究ではPK異常症モデルマウスから樹立した誘導型多能性幹細胞(iPS細胞)を遺伝子治療後に自家造血幹細胞移植のソースとすることを目的として以下の実験を行った。 レトロウイルスを用いて、野生型マウス(CBA)胎児(WTF)、PK異常症マウス胎児(PKF)より得られた線維芽細胞に山中4因子(Oct3/4,Sox2,Klf4,cMyc)を導入し、iPS細胞様のコロニーを得た。これらのコロニーはSSEA1、Nanog、アルカリフォスファターゼ陽性であり、レトロウイルス由来の外因性4因子の発現は消失し、内在性遺伝子の発現を確認した。また各種ES細胞マーカーの発現を確認し、テトラーマ形成のためにこれらのコロニーをSCIDマウス精巣に移植したところ奇形腫形成が認められた。次にWTFiPS細胞を用いて分化誘導を行い、CD71陽性細胞が40-60%であることを確認した。更にCD71陽性細胞に遺伝子治療用ベクターを遺伝子導入し、OP9細胞と共培養した。21日後にはCD71陽性-Ter119陽性細胞が約30%になっており、遺伝子治療後のiPS細胞が赤芽球まで分化することを確認した。 以上のように、マウスモデルではiPS細胞を用いた遺伝子治療後に造血幹細胞への分化がin vitroで可能であり、今後、ヒトPK異常症の根治療法の細胞ソースになり得ることが期待できた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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