2012 Fiscal Year Annual Research Report
抗プロトロンビン自己抗体の病原性の分子生物学的検討
Project/Area Number |
22591074
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渥美 達也 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20301905)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 血栓症 / 自己免疫 / ループスアンチコアグラント |
Research Abstract |
抗リン脂質抗体症候群(APS)は血栓性疾患である。これまでの研究によって、ホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)がAPSの病態に関わっている病原性自己抗体であることがわかってきた。とりわけ、β2-グリコプロテインI依存性抗カルジオリピン抗体のひきおこす血栓病態と共通すると考えられる向血栓細胞の活性化について、各種のin vitroモデルで確認されたところである。しかしながら、aPS/PTが刺激を細胞内部に伝達する受容体については不明であった。そこでプロトロンビンおよびaPS/PTの結合に関与する分子を同定することを目的とした。【方法】FLAGタグ付加リコンビナントヒトプロトロンビン(rhFLAG-PT)を用い、RAW264.7細胞膜上のプロトロンビン結合候補タンパクをプルダウンアッセイでスクリーニングし、MALDI-TOFを用いて測定してマスフィンガープリンティング法によりデータベースを検索した。候補タンパクとプロトロンビンとの結合は、cotransfection assay、酵素免疫測定法(ELISA)、表面プラズモン共鳴(SPR)で確認した。【結果】質量分析により糖転移酵素であるRibophorinII(RPN2)がプロトロンビン結合タンパクとして同定された。候補タンパクとプロトロンビンとの結合は、cotransfection assay では確認できたが、その親和性をSPRで測定するには至らなかった。RPN2が細胞表面に出現しているという報告がなかったので、抗RPN2抗体を用いたフローサイトメトリー、免疫染色などにより、RPN2の細胞表面の存在を示した。【結論】プロテオミクス解析からプロトロンビン結合タンパクの候補としてRPN2が同定されたが、同分子の病態における関与は今後の研究によって証明されるであろう。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(27 results)