2011 Fiscal Year Annual Research Report
アデノシンデアミナーゼ阻害剤による関節リウマチの新規治療開発
Project/Area Number |
22591089
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
小柴 賢洋 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70301827)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤森 廣幸 摂南大学, 薬学部, 教授 (00181404)
中町 祐司 神戸大学, 医学部附属病院, 臨床検査技師 (80379429)
正木 充 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (30587217)
|
Keywords | 関節リウマチ / アデノシン / アデノシンデアミナーゼ / プリン受容体 / 炎症 / 免疫学 / 薬理学 |
Research Abstract |
我々は、関節炎モデルを用いてアデノシンデアミナーゼ(ADA)阻害薬を関節内に投与し、局所のアデノシン濃度を増加させることで関節炎の有意な抑制を誘導できることを確認した。そこで本研究では、関節リウマチ(RA)の病態におけるADAの全身的な関与をモデル動物を用いてin vivoで明らかにし、さらにADA阻害によるアデノシン濃度制御を介した新しいRA治療法の可能性を明らかにすることを目的としている。 平成22年度に我々はADAノックアウトマウスを用いて、体内のアデノシン濃度を測定するために組織をホモジナイズし、アデノシン濃度が野生型に比べて有意に上昇していることを確認した。 続いてADAノックアウトマウスを用いて、アデノシンの全身性の抗関節炎効果の有無を確認するために、まず野生型マウスに対して、強力な関節炎誘導作用をもつモノクロナール抗体カクテルを腹腔内投与することによって関節炎モデルを確立しようとした。しかし、関節炎はほとんど発症しなかった。そのため、モノクロナール抗体カクテルによる関節炎に対して感受性が証明されている遺伝子背景に変更する必要があることが明らかとなった。 平成23年度は、研究分担者(正木)を追加してBALB/CマウスとADAノックアウトマウスとの交配を行い、ほとんどの遺伝子をBALB/C由来に変更してから関節炎誘導実験を行うため交配中である。現在、第4世代のBALB/C由来のADAノックアウトマウスが誕生しており、10世代を目標に戻し交配を継続中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ADAノックアウトマウスを用いて、アデノシンの全身性の抗関節炎効果の有無を確認するために、野生型マウスに対して、強力な関節炎誘導作用をもつモノクロナール抗体カクテルを腹腔内投与することによって関節炎モデルを確立しようとした。しかしながら、関節炎モデルが出来なかった。そのため現在、BALB/C由来のADAノックアウトマウスに戻し交配中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験系を確立するためにBALB/C由来のADAノックアウトマウスへ戻し交配中である。出来るだけ、効率的に交配が行われるようにケージ数を増やしたり、生殖可能な出来るだけ若いマウスを購入するなど工夫を行っている。
|