2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591096
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
藤本 隆 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (60264850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高澤 伸 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50187944)
笠井 孝彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (50224374)
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Keywords | 免疫学 / シェーグレン症候群 / REG |
Research Abstract |
Reg (Regenerating gene)は膵β細胞の再生増殖に関わる遺伝子として同定された遺伝子群である。唾液腺・涙腺にリンパ球の浸潤と腺上皮の障害を特徴とする原因不明の慢性炎症性疾患であるシェーグレン症候群(SS)の唾液腺障害におけるRegの関与を検討した。54例の本症患者と25例の健常者から口唇生検により得られた唾液腺上皮を用いて解析した。real-time PCR法によるReg遺伝子群のmRNA発現を検討したところ、REG IαがSS患者の唾液腺上皮で健常者より有意に発現が亢進していた。そこで、抗ヒトREG Iα抗体を用いた免疫組織化学法によりREG Iαの発現と局在を検討した。REG IαはSS患者の29例(54%)で導管上皮に限局して発現が確認された。一方、SS患者の腺上皮および健常者の導管・腺上皮にはREG Iαの発現は認められなかった。また、REG Iαに対する自己抗体をリコンビナントヒトREG Iαを抗原基質に用いたウェスタンブロット法により本症患者135例と健常者271例の血清について検討した。血清中の抗REG Iα抗体はSS患者の11%で検出され、健常者(2.3%)より有意に高頻度に認められた(p=0.0001)。加えて、抗REG Iα抗体の陽性群では唾液分泌量が陰性群に比べて有意に低下していた(0.71g/2min vs 1.97g/2min, p=0.07)。これらの結果から、SS患者においてREG Iαの唾液腺導管上皮での発現とREG Iαに関与する自己免疫応答は本症の唾液腺障害と再生機構に関与する事が強く示唆された。
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