2010 Fiscal Year Annual Research Report
補助シグナル分子マーカーによる喘息疾患誘発性CD4T細胞サブセットの分類と同定
Project/Area Number |
22591098
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
秋葉 久弥 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60338316)
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Keywords | 補助シグナル分子 / T細胞分化 / コラーゲン誘発性関節炎マウス |
Research Abstract |
免疫反応の中心的役割を果たすCD4 T細胞は、抗原刺激のみならず、補助シグナル分子と呼ばれる細胞表面機能分子の働きによって、その活性化・不活化が制御されている。補助シグナル分子には、B7-CD28ファミリーとTNF-TNFRファミリーの2大ファミリーが存在するが、近年、Th1/Th2誘導に関わる新たな補助シグナル分子としてTIMファミリー分子が同定された。これまでTIM-1, TIM-2, TIM-3に対するモノクローナル抗体を作製し、抗原提示細胞やT細胞におけるそれら分子の発現を明らかにするとともに、樹状細胞-T細胞クロスプレゼンテーションにおける役割等、TIM分子の生理的重要性を明らかにしてきた。 今回、T細胞に発現すると考えられてきたTIM-1分子がB細胞に発現し、アゴニスト作用を持つ抗TIM-1抗体の刺激により抗体産生細胞へと導かれ、生体内において抗体産生を調節している可能性を示した。また同様に、T細胞に発現しTh2反応のネガティブレギュレーターとして作用すると考えられてきたTIM-2分子も、B細胞に強く発現し、増殖や抗体産生に関与することを見出した。さらに、アゴニスト作用を持つ抗TIM-2抗体をコラーゲン誘発性関節炎マウスに投与した結果、T細胞の反応に影響することなく、血清中の抗コラーゲン抗体価を上昇させ、結果、関節炎症状を悪化させることを明らかにした。これらの結果から、TIM-1, TIM-2分子は単にT細胞にのみ発現し、Th1/Th2反応を調節しているだけでなく、B細胞における抗体産生細胞への分化、抗体産生調節にも大きな役割をもつことが示唆された。
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Research Products
(21 results)