2010 Fiscal Year Annual Research Report
GnRHニューロンにおける思春期発来調節因子の新規機能解析と時間生理学的研究
Project/Area Number |
22591119
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
棚橋 祐典 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50374228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 敏広 北海道大学, 医学研究科, 講師 (50333597)
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Keywords | 思春期発来 / GnRH遺伝子 / Kisspeptin / 概日リズム / 発光レポーター測定 |
Research Abstract |
視床下部GnRHニューロンには概日時計振動シグナルが伝わり、性周期や思春期発来に関与していることが示唆されている。しかし、その詳細なメカニズムはわかっていない。一方、Kisspeptin-GPR54系は思春期発来因子として注目され、その遺伝子異常により性腺機能低下症を示すことから、その関与が明らかとなっている。本研究では平成22年において、GnRHニューロン由来でGnRH分泌を示すGT1-7細胞における時計遺伝子とGnRH遺伝子およびGnRH分泌に対するKisspeptinの反応性を検討した。 GnRH遺伝子もしくは時計遺伝子(Per2/Bmall)プロモーター下流にルシフェラーゼ遺伝子を導入したGT1-7安定発現株を確立した。これを用いて、Kisspeptin投与による両遺伝子発現の変化を検討したところ、転写レベルにおいてGnRH遺伝子発現は増強されるが、時計遺伝子発現には変化がなかった。さらに、灌流系の細胞培養システムを用いて長期間の発光連続測定と同時にGnRH分泌測定する系を開発し、解析中である。これによりKisspeptinによる時計遺伝子概日リズム振動への影響のみならず、GnRH遺伝子発現およびGnRH分泌リズムへの影響も明らかにできる予定である。これらの結果により、Kisspeptinは時計遺伝子発現には直接関与せず、時計遺伝子発現とGnRH遺伝子発現との間には相互作用はないことが示唆される。しかしながら、遺伝子転写レベルではなくGnRH分泌レベルにおいては、概日リズム振動がみられる可能性があり、Kisspeptinがその修飾因子となっている可能性も残されている。
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