2010 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染によって誘発される喘息発作時の遺伝子発現プロファイリング
Project/Area Number |
22591151
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
柴崎 正修 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (30049233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 恵美子 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (40344882)
有波 忠雄 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (10212648)
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Keywords | 喘息 / マイクロアレイ / ウイルス |
Research Abstract |
本研究ではウイルス感染により増悪する喘息発作の遺伝子発現プロファイリングを行うことを目的とする。 本年度はライノウイルス血症の診断の確立に関する基礎研究を行った。ライノウイルスはピコルナウイルス科に属するRNAウイルスで、感冒の主要な病因ウイルスであり、いわゆる"カゼ"症状の1/3~1/2がこのウイルスによるものと推定されている(Johnston et al.,BMJ,2005)。気管支喘息患者では呼吸器ウイルス、特にライノウイルスによる感染により発作が増悪することが知られている。喘息発作時にライノウイルスによるものかについての診断を目的として発作時に来院した患者を対象として鼻汁中の採取と、末梢血単核球の採取を行った。またライノウイルスはウイルス血症を起こすことが報告されている(Xatzipsalti et al,Am J Respir Crit Care Med,2005)ことから血液中のライノウイルスのRT-PCRを行った。血漿からのRNA抽出にはとQIAamp Viral RNA Mini Kit(キアゲン)を使用した。喘息発作で入院した21名の患者のうち、ライノウイルスのウイルス血症がRT-PCRにより確認されたのは1名のみであった。ほか3名にピコルナウイルスが血漿中から同定された。Xatzipsaltiの報告では鼻汁中のライノウイルス陽性の喘息患者の11.4%でウイルス血症が認められたと報告している。現在は鼻汁からのRT-PCRの条件検討が進行中である。
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Research Products
(2 results)