2010 Fiscal Year Annual Research Report
周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、リンパ節炎症候群の病態解析と診断治療法の確立
Project/Area Number |
22591155
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
上松 一永 信州大学, 医学研究科, 准教授 (60262721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 法元 信州大学, 医学部, 助教 (00362129)
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Keywords | 周期性発熱 / 炎症 / 発熱 / 治療 |
Research Abstract |
周期性発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、リンパ節炎症候群の患者を約50例集積し、 1. 家族歴、2. 臨床症状、3. 検査所見、4. 治療効果について下記の知見が得られた。 1. 約40%に家族歴を認めたが、メンデルの法則に従わず、1世代おいて発症する例もあった。兄弟例は1家系で認められた。 2. 発熱(2日~8日)、白苔を伴う扁桃炎、口内炎、リンパ節腫大は高頻度に認められたが、咽頭発赤のみ、嘔吐などの消化器症状を主体とする亜型が存在することが判明した。 3. 発熱発作時の、WBC増多、CRP/SAA上昇以外に、好中球活性化マーカーであるCD64の発現がきわめて高くなり、発作間欠期には正常化した。発作時のCD64の発現は、他の自己炎症疾患に比しきわめて高く、診断の補助となると考えられた。 4. シメチジンの予防内服によって、約70%で発作を予防、あるいは軽減できた。1年から2年で内服を止めたところ、再発する例がみられ、再投与によって同様の効果が得られない例もあった。扁桃摘出した5例は前例で発作が消失した。発作時のプレドニンな内服は、0.5mg/kg/回で充分な効果が得られることが多かった。 実験的に、シメチジンの炎症効果を検討するため、単球刺激かに、シメチジンを添加し、炎症性サイトカイン、IL-1beta,IL-6、TNF-alphaなどの産生を検討したが、抑制効果は認めなかった。生体内において何らかの効果があるものと考えられ、今後の検討課題とした。
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Research Products
(9 results)