2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591215
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大田 光仁 北海道大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (10514242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 圭 北海道大学, 大学院・医学研究科, 非常勤講師 (20421977)
有田 賢 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (50374434)
|
Keywords | 皮膚科学 / 表皮水疱症 / 遺伝子治療 / 水疱 / レンチウイルス |
Research Abstract |
本研究の目的は、現在まで根本的治療法がない表皮水疱症に対し、臨床応用可能な遺伝子治療を開発することである。本研究グループが有する、表皮水疱症患者に極めて類似した表現型を呈するモデルマウス(17型コラーゲン(COL17)ノックアウトマウス)を使用し、遺伝子導入効率が高いと期待されるレンチウイルスベクターを用いた遺伝子導入を試みる。その際、水疱内へ直接、COL17発現レンチウイルスを導入する点が特徴である。平成23年度は、平成22年度に作製した、正常ヒトCOL17cDNAを発現する、偽レンチウイルス粒子を、表皮水疱症モデルマウスであるCOL17ノックアウトマウス背部に作製した人為的水疱内への投与実験を行った。用いたウイルス粒子は、in vitroでは、COL17ノックアウトマウス由来の培養表皮細胞に導入すると、十分量のヒトCOL17の新たな発現を確認できるものであるが、in vivoでは、水疱内投与部において新たに発現したヒトCOL17タンパク量は極めて微量だった。in vitroとin vivoでの実験結果が異なった理由として、ウイルス粒子の力価が十分でなかった可能性のほか、in vivoでの表皮細胞では遺伝子導入のターゲットとなる幹細胞の数が比較的少ないためである事等が予想された。従って、今年度にえられた結果を踏まえ、平成24年度では、超遠心やPEGを用いたウイルス粒子の濃縮による力値の向上や、遺伝子導入した培養COL17ノックアウトマウス表皮細胞を直接水疱内で投与する細胞療法などを検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
in vivoでの生体皮膚への遺伝子導入は非常に難しいが、ウイルス粒子の濃縮や遺伝子修復した細胞投与など、研究計画書で計画した方法により解決される可能性がある。これまでのin vitroでの実験成果を踏まえると、おおむね順調に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
表皮水疱症モデルマウスに人為的に作製した水疱内へのウイルス粒子の濃縮など遺伝子導入効率改善に加え、遺伝子修復した細胞を直接水疱内へ投与する研究をすすめていく。
|
Research Products
(1 results)