2010 Fiscal Year Annual Research Report
前方視的研究による広汎性発達障害の早期徴候と支援導入ポイントの検討
Project/Area Number |
22591282
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
藤田 梓 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (50444352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 将也 浜松医科大学, 医学部, 特任研究員 (40567880)
松崎 秀夫 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任准教授 (00334970)
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Keywords | 広汎性発達障害 / ハイリスク / 診断マーカー / 出生コホート / 早期診断早期介入 |
Research Abstract |
自閉症やアスペルガー障害などの広汎性発達障害(以下PDD)のハイリスク群と対象群を対象に、子どもの発達と養育環境状態を前方視的に追跡調査し、PDDの早期診断早期介入を可能にする小児廃達学的診断マーカー候補の特定と、支援導入の最適ポイントを探る。 (1) 対象者の募集(藤田、連携:辻井) 本研究の対象となる児は、浜松医科大学附属病院産科およびその近隣・関連病院において分娩をおこなう妊婦、その児を対象とする出生コホート研究、NPO法人アスペ・エルデの会のPDDハイリスク児の出生コホートおよび家族支援プログラムから抽出された。第1はPDDの診断を受けている同胞をもつハイリスク児の群(N=30)であり、第2はPDDの診断を受けている同胞がいない、もしくは同胞を持たないローリスク児(N=470)である。周産期に重篤な脳障害を有する児および先天異常や発達遅延の原因になりうる身体疾患を罹患した児は除外した。 (2) 追跡と小児発達学的マーカー候補の探索(大城、連携:武井) 生後1、4、6、10、14、18、24か月時の子どもの発達経過を追跡し、(i)MSEL(Mullen Scale of Early Learning)(ii)乳幼児期の反射の確認や神経学的診察(iii)乳児気質質問紙(ITQ)、幼児気質質問紙(TTS)(iv)日本版乳幼児の家庭環境評価法(JHSQ)(v)Edinburgh Postnatal Depression Scale(EPDS)(vi)Beck's Depression Inventory-Second edition(BDI-II)(vii) Modified Checklist of Autism for Toddlers (M-CHAT)のデータを収集した。 (3) 診断確定(松崎、連携:宮地・中村) 24か月時において、PDDスクリーニングテスト(M-CHAT)にて1回でもカットオフポイントを超えた場合、または追跡調査を行う申請者が一致してPDDを懸念する場合にAutistic Diagnostic Interview-revised (ADI-R)、Autism Diagnostic Observation Schedule (ADOS)を加えた評価を行いPDDの診断確定を行うが、現時点で該当者はまだ現れていない。 次年度は、上記の作業を引き続き推進する計画である。
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