2011 Fiscal Year Annual Research Report
SPIO-MRIを用いた肝機能・肝線維化の評価法の確立
Project/Area Number |
22591342
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西江 昭弘 九州大学, 大学病院, 助教 (20457427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅山 良樹 九州大学, 大学病院, 助教 (40380414)
石神 康生 九州大学, 大学病院, 助教 (10403916)
柿原 大輔 九州大学, 医学研究院, 助教 (80529818)
牛島 泰宏 九州大学, 大学病院, 助教 (40432934)
高山 幸久 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60546563)
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Keywords | SPIO / クッパー細胞 / 鉄 / T2* map / MRI / 肝線維化 |
Research Abstract |
[目的]SPIO-MRIの肝線維化の診断能を評価するため、SPIO投与前後における肝実質の信号変化と.術後病理標本との間で比較を行った。 [症例・方法]対象は肝臓の精査のため術前にSPIO-MRIが施行された54例である。SPIO-MRIではリゾビスト投与前後にT2*およびT2 mapが撮像された。それぞれのmapを用いて、肝実質のR2*およびR2値(R2*=1/T2*, R2=1/T2)を計測した。リゾビスト投与前の肝実質のR2*およびR2値をPre R2*およびPre R2、またリゾビスト投与前から後のR2*およびR2値を差分した値をΔR2*およびΔR2と定義した。肝線維化は新犬山分類を用いてF0(なし)からF4(肝硬変)の間で5段階に、また壊死/炎症細胞浸潤の程度もA0(なし)からA3(高度)まで4段階に分類された。SPIO-MRIの肝機能パラメータであるR2*,R2,ΔR2*,ΔR2が、肝組織の病理像と相関があるか、Spearman's rank correlation testを行った。 [結果]R2*,R2,ΔR2*,ΔR2ともに肝線維化および壊死/炎症細胞浸潤の程度と有意な相関はなかった。F1+F2のΔR2*およびΔR2(1/sec)はそれぞれ61.5+/-8.7と11.6+/-3.7であり、F0(57.5+/-11.6と9.6+/-3.9)やF3+F4(54.9+/-14.6と7.9+/-3.7)と比較して高い傾向にあった。 [考察・結論]SPIO-MRIから得られるパラメータは、肝線維化および壊死/炎症細胞浸潤の程度と順序立った相関はなかった。ただし、クッパー細胞は線維化の初期(F1+F2)には重要な役割を担っているため、同時期にはむしろ活性化され、貪食機能が亢進している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記に記載した研究結果をもとに、現在2本目の論文を作成して一流雑誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は主に病理を主体に解析する。免疫染色を行い、その結果を踏まえて、これまで出た成果との比較を行う予定である。
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