2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝幹細胞由来の癌の血管新生および腫瘍間質に関する画像解析
Project/Area Number |
22591343
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
浅山 良樹 九州大学, 大学病院, 助教 (40380414)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西江 昭弘 九州大学, 大学病院, 助教 (20457427)
石神 康生 九州大学, 大学病院, 助教 (10403916)
柿原 大輔 九州大学, 医学研究院, 助教 (80529818)
牛島 泰宏 九州大学, 大学病院, 助教 (40432934)
高山 幸久 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (60546563)
|
Keywords | 肝幹細胞 / 肝腫瘤 / MRI(核磁気共鳴画像) / Gd-EOB-DTPA |
Research Abstract |
研究2年目に当たる本年度は、学会参加による情報収集ならびに肝腫瘤症例の所見の拾い上げを行った。研究代表者(浅山)は、4月に日本医学放射線学会総会、6月に日本医学放射線学会九州地方会、11月に北米放射線学会、3月に欧州放射線学会に参加し、肝細胞癌をはじめとする肝腫瘤の画像診断の最新の動向を調査した。また5月には日本肝癌研究会に参加し細胆管癌や混合型肝癌等、肝幹細胞由来の可能性のある癌の病理学的、分子生物学的な研究の進歩について情報を収集した。 肝腫瘍の画像に関しては、昨年度に代表者および研究分担者(西江・高山)がデータベース化した肝MRI施行911症例をもとに、低分化肝細胞癌と肝内胆管癌の症例を抽出し(西江、石神、柿原、牛島、高山)、画像解析を行った。これらの腫瘍は画像所見、とくにvascularityや悪性度からは類似するところが多く、由来細胞としては非常にimmatureな細胞、すなわち本研究のテーマの幹細胞由来の癌の可能性がある。具体的には両者とも動脈性栄養血管が比較的乏しく、MRI動脈相では鑑別困難な症例が存在することが判明した。拡散強調像でも両者は鑑別困難であった。肝細胞特異性造影剤であるGd-EOB-DTPAを用いた検討では造影180秒後のdynamic late phaseで腫瘍間質(線維化)を捉えることで、両者を鑑別できる可能性があることが示された。また、従来高分化肝細胞癌で頻度が最も高いとされていた腫瘍内脂肪化が、低分化肝細胞癌においても高頻度に認められることが明らかになり、そのメカニズムについて今後の検討課題と思われた。 これらの腫瘍の類似点・相違点を画像所見から明らかにすることができると思われる。この結果は論文作成を終え、近日中に投稿予定である。学会発表も2013年4月の放射線学会総会にて行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各種肝腫瘍の画像解析が順調が進んでいる点は順調である。病理学的解析がやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
悪性度の高い未分化な腫瘍、混合型肝癌や細胆管癌などの幹細胞由来の可能性がある腫瘍を中心に、個々の画像解析を引き続き進めていく。病理解析は病理学教室の協力も得て引き続き継続する。
|
Research Products
(1 results)