2011 Fiscal Year Annual Research Report
高精細融合画像を用いた肝動注化学塞栓療法における術中効果判定システムの開発
Project/Area Number |
22591371
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
田嶋 強 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (50346798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西江 昭弘 九州大学, 大学病院, 講師 (20457427)
浅山 良樹 九州大学, 医学(系)研究科(医学院), 助教 (40380414)
石神 康生 九州大学, 大学病院, 助教 (10403916)
柿原 大輔 九州大学, 医学(系)研究科(医学院), 助教 (80529818)
木村 健 東京女子医科大学, 医学部, 医療練士 (70611284)
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Keywords | 動注療法化学塞栓療法 / 予後因子 / 融合画像 / CT / IVR |
Research Abstract |
平成23年度は研究第2年度である。今年度前半は、研究体制の維持のため、東京女子医科大学病院画像診断・核医学科にオンライン型3D画像解析用ワークステーションを導入し、三次元CT融合画像の作成、画像データの継続解析を行うことに成功した。これら臨床データの蓄積/解析と並行して、三次元画像作成法の錬成・適正化のために、われわれが開発した三次元CT融合画像を含めた三次元画像の再構成法および表示法についての研究を施行した。 最終的には症例集積が進み、2008年~2010年にIVR-CTガイド下TACEを施行された約100例について経過観察がなされていた。そのうちフォローデータの欠損がなく肝細胞癌再発の有無について十分な検証ができた60症例について解析。Grade/Type、治療安全域の幅、及び各種臨床的因子と局所再発の有無について検討したところ、局所再発は36例(60%)、再発までの期間は14~1008日であった。再発群と無再発群の比較では、治療安全域の幅(6.6±14.7mm,17.5±18.2mm;p=0.01)およびGrade IとII~IV間(56%,96%;p<0.01)で再発率に有意差を認めた。さらに治療安全域5mm未満群と5mm以上群間でも局所再発率に有意差を認めた(78%,33%:p<0.01)。多変量解析ではGrade Iが独立した予後因子となった(p<0.01)。以上の本研究の概要について2012年4月12日(木)~15日(日)に開催される第71回日本医学放射線学会総会にて口演発表を行う。 IVR-CTガイド下TACE検査の中長期フォローデータについてはこれまで報告がなく、各種研究会でも安全域に注目した発表が少ない。今回の最大の成果は多数例における治療安全域と再発との関係が得られたことである。現時点では、安全域5mm、Grade Iが重要な予後因子と考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度途中に研究代表者が勤務先を異動となったため、当初の計画より多少の軌道修正が必要となった。研究事務局を九州大学病院から東京女子医科大学病院へ移動し、両施設にて研究を継続している。目下の問題としては、当院では肝細胞癌に対するTACE症例が少ないこと、血管撮影装置にCTが装備されていないなどの事由で、当院においては症例の追加集積が困難となっていることがある。そこで、臨床検査(血管造影、動注化学塞栓療法、経過観察のCTなど)は引き続き九州大学病院にて実施し、その他の解析(三次元CT作成、画像解析、統計解析など)は主に東京女子医科大学病院にて実施する計画とした。 これらの計画を遂行するため,まず本年度の前半には東京女子医科大学病院画像診断・核医学科にオンライン型3D画像解析用ワークステーションを導入し、画像データの九州大学病院からの東京女子医科大学病院への移行作業、画像解析の体制づくりを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では、連携先の九州大学病院では症例の蓄積が進んでおり、過去に行われたTACE症例については中長期的経過が観察でき、解析に十分な症例数も得られた。ひきつづき両病院で連携しながら研究継続が可能と判断している。 今後の展開としては、中長期的臨床データ(再発の有無、部位)を基にして、三次元融合画像と連動した再発予知システムの構築の予定である。その作成法や解析法については各種学会で情報収集し、具体的な方法について協議中であるが、統計学者などの専門家からの意見を伺う必要があるかもしれないと考えている。
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Research Products
(4 results)