2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノスケール蛍光粒子を用いた新規センチネルリンパ節生検法の開発
Project/Area Number |
22591396
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀井 尚 東北大学, 病院, 助教 (10436115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
権田 幸祐 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80375435)
大内 憲明 東北大学, 病院, 教授 (90203710)
里見 進 東北大学, 病院, 教授 (00154120)
星田 徹 東北大学, 病院, 助教 (30444011)
日景 允 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (70579747)
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Keywords | センチネルリンパ節 / 蛍光粒子 / ナノスケール |
Research Abstract |
本研究の目的は、蛍光計測技術をセンチネルリンパ節生検に導入し、「真のセンチネルリンパ節を100%同定する高感度なリンパ節生検法の開発」と「センチネルリンパ節内の微小癌転移を見逃さない病理診断法の開発」を行うことである。本年度は以下のように研究を行い、成果を得た。 (1)量子ドットをトレーサーとしたSLN検出の詳細な解析 ブタモデルにて、食道、大腸で量子ドットを局注し、センチネルリンパ節蛍光計測をリアルタイムに行い、少なくとも60分以上の滞留があったが、2次リンパ節への移行は確認できなかった。腸管、脂肪組織を通しては励起光が到達できる条件は1cm程度の深部で、それ以上は検出が不可能であった。 (2)坦癌マウスリンパ節転移モデルにおけるSLNB蛍光法の評価 使用したモデルはマウス耳介部に移植した悪性黒色腫の頚部リンパ節転移モデルであるが、安定したモデルを構築するのに条件設定を変えて試行している段階である。この部分は予定より進捗状況が思わしくないが、今後、このモデルに量子ドット、及び後述する有機系蛍光粒子を投与した場合の動向と摘出リンパ節の病理学的検討を行う。 (3)生体へ安全に投与可能な蛍光粒子の開発 生体への応用を念頭に、安全な量子ドットの蛍光強度に匹敵する新規の有機系蛍光材料を開発した。この粒子の特性の評価項目として、蛍光強度・光安定性・蛍光耐久時間について量子ドットと比較した。蛍光強度は量子ドットをしのぐものではなかったが、我々の目的とするセンチネルリンパ節検出には十分可能な強度であることが分かった。光安定性、退色時間も1時間以内での著しい低下はなく、この実験系に供することは可能である。また、ブタ胃モデルで同様の実験を試みたが、量子ドットと同じ動向でセンチネルリンパ節を検出可能なことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粒子の特性解析と、局注後のリンパ系の動向解析は順調に進み、当初の計画以上に進展した。また、生体に安全な有機系ナノ蛍光粒子の開発も順調に終了し、解析も予想通りに行うことができた。マウスリンパ節転移モデルでの条件設定が微妙で、不安定性があり、この部分の解析が待たれるが、モデルの不安定性が解決されれば研究目的を達成できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度にあたり、研究の総括を進めつつ、マウス転移モデルの経験豊富な分担研究者を追加し、この部分の実験と解析を強力に推し進める。
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