2011 Fiscal Year Annual Research Report
c-mycを標的腫瘍抗原とした固形癌診断血清抗体診断法の研究
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22591416
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
山崎 有浩 東邦大学, 医学部, 講師 (00307761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英昭 東邦大学, 医学部, 教授 (20292691)
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Keywords | SEREX / VEGF / p53 / ELISA / 固形癌 / 血清抗体 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
(1)c-myccDNAの塩基配列をアミノ酸配列に変換し、MHCPredウェブサイト(http://www.jenner.ac.uk/MHCPred/)を用いてクラスII抗原部位を検索し、その領域を含むペプチドを人工合成する。始めにウエスタンブロット法にて、c-mycを標的とする血清抗体陽性率を検討した。 (2)次に、アミノ末端にビオチンを付加しておき、予めアビジンを子愛化したプレートを用いて合成ペプチドを特異的に結合させ、洗浄後に血清抗体と反応させ、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgG抗体を用いて血清抗体レベルを測定した。健常者血清に比べ食道癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、乳癌の6種の患者血清の抗体レベルが有意に高いペプチドを選択した。 (3)バキュロウイルスを用いてc-mycペプチドを精製して血清c-myc抗体検索のためのELISAキットを作成する。作成したELISAキットの性能試験を実施し、健常者の基準抗体価を設定した。健常者血清におけるELISA測定レベルの平均値+3SDをカットオフ値として、その値を上回ったものを陽性と判定した。 (4)東邦大学医療センター大森病院で入院・加療した胃癌患者の血清を文書により本人の了解を得てスクリーニングし用いた。解析対象の食道癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、膵臓癌、乳癌の患者血清を治療前後に採取し、血清分離後にマイナス80度で凍結保存したものを使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画3年間の2年目であり、当初計画に基づく研究計画を順調に実施している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画3年間の2年目であり、当初計画に基づく研究計画を順調に実施できた。しかしながら、血清中のc-myc抗体は、当初期待したレベルの陽性率に達しなかったため、単独で新たな腫瘍マーカーとして利用できる可能性は少ないと判断された。他の血清抗体マーカーとの重複陽性症例はほとんどないため、複数の抗体マーカーを併用することで、従来の抗体マーカーを凌駕する検査方法として開発できる可能性がある。研究最終年度である平成24年度には、最適の血清抗体併用方法を探索する予定である。
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