2012 Fiscal Year Annual Research Report
がん間質の再構築誘導による新規難治がん治療法の開発
Project/Area Number |
22591515
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
太田 哲生 金沢大学, 医学系, 教授 (40194170)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田島 秀浩 金沢大学, 大学病院, 助教 (00436825)
北川 裕久 金沢大学, 大学病院, 講師 (80272970)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌間質 / 線維化 / アンギオテンシン / トリプシン / 胆管癌 / ARB / PAR-2 / HDAC阻害剤 |
Research Abstract |
本研究は、膵・胆道癌に代表されるように、乏血性で豊富な間質増生を伴い、構造的にも機能的にも異常な腫瘍血管と活性化した線維芽細胞を有するために血管透過性の亢進や細胞外マトリックスの異常沈着で間質圧上昇が惹起されてdrug deliveryが不良となっている難治固形癌の特性を克服することを目的とし、同時に最近注目されているヒストン・デアセチラーゼ(HDAC)阻害薬とアンギオテンシン受容体ブロッカー(ARB)を用いて、癌間質の再構築を誘導し、組織内drug deliveryの改善をはかって抗癌剤や分子標的治療薬の治療効果を最大限に引き出す新規治療法の開発を行うことにある。 同じ原発性肝癌でありながら肝内胆管癌(ICC)は肝細胞癌(HCC)に比して乏血性で豊富な間質増生を伴い、きわめて予後不良である。申請者らは線維化を強く認める腫瘍において腫瘍由来トリプシノーゲンの過剰発現があり、腫瘍の進展に深く関与していることを以前より報告してきた。平成22年度の研究においてはICCとHCCを比較することにより、トリプシンの受容体であるprotease activated receptor 2 (PAR-2) およびアンギオテンシンII (AngII) の特異的受容体AT-1がICC組織において癌細胞および線維芽細胞に認められること、癌組織の線維化や癌細胞の浸潤・増殖に肝星細胞が重要な役割を担うこと明らかとなった。また、ICC・肝星細胞株にAT-1発現を認め、AngII添加によりICC・肝星細胞の増殖能、肝星細胞の活性化亢進を認め、ARB 添加によりそれらの反応は抑制された。 これらの結果よりICC組織において局所AngII産生系は、腫瘍細胞の増殖と癌間質の線維化に相乗効果をもたらすと考えられ、ARBにはAT-1が発現する腫瘍に対する抗腫瘍・抗線維化効果がある可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)