2010 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓癌に対する術前化学放射線治療の感受性予測法構築におけるMicroRNAの関与
Project/Area Number |
22591518
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江口 英利 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90542118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 浩昭 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (10294050)
種村 匡弘 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30379250)
丸橋 繁 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20362725)
小林 省吾 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (30452436)
冨丸 慶人 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (70528570)
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Keywords | 癌 / マイクロRNA / マイクロアレイ / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、膵臓癌の抗癌剤耐性機構におけるmicroRNA (miRNA)の関連を解明することである。そこでまず平成22年度は、(1)miRNAのうちで他臓器癌の薬剤耐性に関与するとの報告がなされているmir-181bに関して膵臓癌細胞株においてその発現を検討し、miRNAを操作することによって感受性がどのように変化するかを検討した。さらに、(2)当科で樹立したGemcitabine(膵臓癌に対する第一選択薬)耐性膵臓癌細胞株におけるmiRNAの発現を網羅的に解析した。 (1) 1. Mir-181bの膵癌細胞株における発現 MiaPaCa2、BxPC3、PSN1、Panc1を用いてmir-181bの発現量を測定したところ、Panc1において他細胞株よりも3倍~10倍程度の発現量があることが確認できた。 2. Anti-mir-181bの遺伝子導入による薬剤耐性の変化の検討 Panc1にanti-mir-181bを導入し、Gemcitabineの存在下にてMTT assayを用いて細胞増殖を測定したところ、遺伝子導入細胞では有意に増殖抑制が認められた。 以上より、Gemcitabineに対する薬剤耐性にmir-181bが関与している可能性があることが示唆された。今後はmir-181bが制御する蛋白質の同定、および臨床サンプルにおける意義を検討する予定である。 (2) Gemcitabine耐性株とその親株を用いて、東レ社製miRNAチップを用いて網羅的にmiRNAの発現差を検討したところ、発現低下または発現上昇している複数のmiRNAを認めた。今後は有意に低下/上昇していたmiRNAを候補として、膵癌またはGemcitabineに特異的な薬剤耐性機構に関わるmiRNAを同定する予定である。
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