2012 Fiscal Year Annual Research Report
膵臓癌に対する術前化学放射線治療の感受性予測法構築におけるMicroRNAの関与
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22591518
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江口 英利 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90542118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 浩昭 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10294050)
丸橋 繁 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪府立成人病センター(研究所), その他部局等, その他 (20362725)
種村 匡弘 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (30379250)
小林 省吾 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30452436)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌 / マイクロRNA / マイクロアレイ / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、膵臓癌の抗癌剤耐性機構におけるmicroRNA(miRNA)の関連の解明することである。平成24年度は、他臓器の癌で薬剤耐性に関与すると報告されているmiR-181bが膵癌細胞株でも深く関わることを確認し、さらにmiR-181bによって制御を受けている蛋白質であるCYLD(cylindromatosis)が関与していることを確認した。 本年度は、臨床検体を用いてCYLD蛋白の発現と予後、薬剤感受性に関して検討した。 【対象】大阪大学医学部附属病院にて切除術を施行した膵癌患者49症例の膵癌切除標本。 【方法】免疫染色法による評価。 【結果】主病巣でCYLDが陽性の症例は29例であった。これらのうち術後再発があり、さらに再発に対して塩酸ゲムシタビンによる治療を施行した14例で見ると、CYLD陽性症例は8例、陰性症例は6例であった。両群において再発後の生存期間(これは塩酸ゲムシタビンの有効性を見る指標となる)を比較したところ、両群間に生存期間の有意差は見いだせなかった。 以上の結果では、miR-181bは細胞株においては薬剤耐性に関わる可能性が強く示唆されたものの、臨床検体を用いた評価では有意な結果を得ることはできなかった。今後は症例数を増やして再評価する予定である。さらにmiR-181b以外に薬剤耐性に関わるmiRNAを同定するために、膵癌細胞株(親株)と、その株由来で当科で独自に樹立した抗癌剤耐性株を用いてmiRNAのマイクロアレイを施行し、耐性株で有意に上昇しているmiRNAを同定した。同定したmiRNAを親株で強制発現することにより薬剤耐性が上昇すること、また耐性株で発現抑制をすることにより薬剤耐性が減弱することを確認した。このことは、このmiRNAが薬剤耐性に関わる有力な候補であることを示唆する所見と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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