2012 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌幹細胞におけるエピジェネティックな遺伝子発現制御機構の解明とその臨床応用
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22591522
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
佐藤 典宏 産業医科大学, 医学部, 助教 (20423527)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 膵癌 / 幹細胞 / メチレーション |
Research Abstract |
癌幹細胞の概念が提唱されてから数年経過したが、その由来や特徴的なフェノタイプの背景となる分子生物学的異常は未だ明らかでない。通常の幹細胞では、分化・生死に関連した遺伝子群の発現はエピジェネティックな制御で行われており、癌幹細胞ではこのエピジェネティックな遺伝子発現制御機構に何らかの異常が起きている可能性が極めて高い。本研究の目的は、膵癌幹細胞におけるエピジェネティックな異常をゲノム網羅的に解析し、発癌、癌進展、薬剤耐性および予後など臨床病理学的因子との関係を明らかにし、得られた知見を臨床に応用することである。即ち①特異的表面抗原にて純化した膵癌幹細胞集団におけるDNAメチレーションの異常を、マイクロアレイを用いた包括的アプローチにて解析。②膵癌幹細胞におけるDNAメチレーション異常のターゲット遺伝子の同定と機能解析を行い、膵発癌との関係を調べる。③膵癌幹細胞に特徴的なエピジェネティック異常と薬剤耐性、予後、膵癌前駆病変における悪性化との関連を明らかにし、最終的にはこのエピジェネティックな異常をターゲットとした膵癌治療法を開発。膵癌幹細胞はCD133の表面抗原を有する細胞である可能性が高く、当研究室においてソーティングを行いその間質相互作用に関して報告した。本年度はより膵癌幹細胞のマーカーの同定を目指してCD10,CD29,CD34,CD44,CD54,CD105,CD117,CD271,Stro-1,c-Met,MSCA-1などの表面抗原を発現するサブポピュレーションをソーティングにて分離、純化し、そのフェノタイプおよびDNAメチル化状態を網羅的に解析した。この結果、DNAメチル化プロファイリングが膵癌幹細胞のサブポピュレーションでは明らかに異なることを発見した。今後はそれぞれのDNAメチレーションマーカーを詳細に解析、膵癌発生や進展における機能的役割を解明する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)