2011 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌間質細胞の腫瘍免疫における新しい役割の解明とその応用による膵癌治療の新基軸
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22591523
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 重隆 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00529802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 義浩 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40507795)
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Keywords | 膵癌 / 間質細胞 |
Research Abstract |
腫瘍性病変は多種多様な細胞集団から構成されているが、従来の癌研究は腫瘍細胞を中心として進められてきた。しかし膵癌においては腫瘍の大部分を細胞外基質・間質細胞で占められており、膵癌の悪性形質を語る上で間質細胞の影響は無視できない。また、免疫細胞と癌細胞との関係は広く研究されているが、その作用に間質が関与するか否かという点は今まで調べられてこなかった。膵癌間質にあり線維化反応の主要因とされている膵星細胞は、癌細胞以上に免疫細胞と近い位置に存在し、また豊富なケミカルメディエーターを分泌するため、腫瘍免疫に及ぼす影響は非常に大きいと考えられる。以上より我々は癌間質と腫瘍免疫との関係を調べるに至った。まず、膵星細胞においてToll Like Receptorのいくつかのサブタイプが発現していることを確認した。また膵癌バルク組織から抽出したmRNAの発現解析で、免疫細胞・間質細胞間の相互アポトーシスにかかわるFASの発現を確認し、さらにFAS高発現群では、術後補助療法を行っていない場合予後不良となることを発見した。これは術後補助療法を行うことで低発現群と同程度の予後になることも判明した。また別に、"乳癌の間質に発現が認められその予後に関わるとされている炎症細胞マーカー"が、膵癌間質でも同様に、間質に浸潤する炎症細胞で発現していることを、免疫組織染色で明らかにした。これは炎症細胞が膵間質におよぼす影響により膵癌の進展が左右される可能性があり、非常に興味深い。さらに膵星細胞においてCD10を発現しているsubtypeは腫瘍の悪性度に寄与していることを明らかにした。これはリンパ球の分化を示す抗原を発現している膵星細胞が腫瘍免疫を制御している可能性を示唆している。これにより腫瘍免疫制御の観点から間質標的特異的新規治療の足がかりとなるデータを得られると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
膵星細胞のサブタイプ解析を踏まえ、候補となる標的因子の絞り込みを行った。また、臨床データとの相関性も示した。その中で、腫瘍免疫の制御に深く関与する因子の同定を行い、その因子を発現した膵星細胞が膵癌の悪性度に寄与することをin vitro, in vivoの両面で明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
膵間質細胞における腫瘍免疫を制御する因子を抑制することで腫瘍の進展にどのような影響を及ぼすか検討する。また、PSC/免疫細胞相互作用に関わる分子を標的とした治療と既存の免疫療法(樹状細胞・活性化感作リンパ球投与)とのcombination therapyの可能性を模索する。
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Research Products
(2 results)