2011 Fiscal Year Annual Research Report
Autophagyに注目した膵癌薬剤耐性の機序解明と治療への応用
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22591524
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大塚 隆生 九州大学, 大学病院, 助教 (20372766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮坂 義浩 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40507795)
堤 宏介 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (00467937)
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Keywords | 膵癌 / オートファジー / 薬剤耐性 / 遺伝子治療 / ASC |
Research Abstract |
膵癌の薬剤感受性マーカーに関する解析では、epidermal growth factor receptor (EGFR)の発現が高い膵癌では術後ジェムザールによる補助化学療法の効果が低く、予後が不良であった。まmicro RNA-142-5pの発現が高いと膵癌切除後のジェムザールによる術後補助化学療法後の生存期間が長いこと、つまりジェムザールの感受性が高いことを見出した。さらに薬剤耐性膵癌細胞株を樹立し、RRMIとTSxDPDがそれぞれジェムザールと5-FUの感受性を制御していることを明らかにした。薬剤耐性膵癌細胞株ではアデノウイルスによる遺伝子導入率が高く、薬剤耐性後の治療法として遺伝子治療が期待できる可能性も示唆された。 膵癌細胞株Panc1において飢餓状態に置くことによりオートファジーの誘導に成功し、LC-3IIの誘導をウエスタンブロット法で確認した。またGFP-LC3の遺伝子導入により、飢餓状態のPanc1でオートファゴソームの誘導を顕微鏡下に確認した。これにより様々な薬剤導入後のオートファジー解析の手段が確立されたとともに、上記の結果に基づく薬剤感受性マーカーと癌抑制遺伝子ASC、オートファジーの関連を調べることが可能となった。またアデノウイルスによる遺伝子導入が薬剤耐性膵癌の新たな治療法として期待され、ウイルスによるASC遺伝子治療の効果を調べる上での重要な足がかりとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オートファジーの指標であるLC-3IIを誘導する条件と解析法を確立し、それに関連する膵癌薬剤感受性マーカーを複数同定することができた。特に薬剤耐性膵癌細胞株の樹立は重要で、今後薬剤耐性とオートファジーの関連を簡便に解析することが可能となった。
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Strategy for Future Research Activity |
薬剤耐性膵癌細胞株を用いてオートファジーと癌抑制遺伝子ASCが抗癌剤感受性を高めるのかどうかをLC-3IIの誘導を中心に調べる。またアデノウイルスによるASC遺伝子導入が薬剤感受性を制御するかを解析する。さらに飢餓状態のkey regulatorであるguanidinoacetate methyltransferase (GAMT)にも注目して、オートファジーを介した膵癌の薬剤感受性との関連を調べる。
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Research Products
(5 results)