2011 Fiscal Year Annual Research Report
肺気腫症に対する肺切除後の残存肺組織再生に関する実験的検討
Project/Area Number |
22591562
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
岩田 尚 岐阜大学, 医学系研究科, 准教授 (90303495)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白橋 幸洋 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (40362149)
水野 吉雅 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60397354)
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Keywords | 肺気腫 / 肺再生 / 肺切除 / erythropoietin |
Research Abstract |
本研究は大量肺切除後にerythopoietinを投与することにより、術後肺高血圧症、右心不全を予防することを目的としている。 平成23年はラット大量肺切除(右3肺葉切除)群(L群)と開胸のみの群(S群)を比較し、大量肺切除群で右心不全を発症しているか確認した。検査項目は(1)右室壁の肥厚、(2)肺動脈密度、(3)心重量、(4)末梢肺動脈の壁肥厚について明らかにした。次いで大量肺切除群において術後にerythropoietinを投与し、前述の項目を明らかにすることを目標とした。 結果:(1)右室壁の肥厚は、具体的に右室壁の厚さ佐室壁の厚さ+心室中隔の厚さを測定した。L群:S群は35.5±0.108%:32.7±0.107であり、大量肺切除群において高値である傾向にあったが、有意差は認めなかった。(2)肺動脈密度については、顕微鏡検査(×200)で1視野における肺動脈の個数を計測した。L群:S群=1.717±0.939:1.425±0.601(p=0.700)と有意差は認めなかった。(3)心重量(g)はL群:S群=1.397±0.404:1,291±0.119(p=0.601)と有意差は認めなかった。(4)末梢肺動脈の壁肥厚は、肺動脈外径に対する動脈壁の割合(%)を測定した。L群:S群=30.2±0.179:16.7±0.112(p=0.0015)と有意に大量肺切除群で高値であった。今後は対象数を増やすことで確認することが必要である。 以上の結果が得られ、今後ervthropoietinを投与し引き続き実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のとおり大量肺切除の実験の確立に長期間を要したことが実験がやや遅れている原因である。しかし平成23年度に実験の確立が得られたため、平成24年度には計画どおり達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はerythropoietinを使用し、右心不全、肺高血圧症が改善された否かを明らかにする。研究については、平成23年度に確立した方法で施行する。同時に計画している以外の定量的な評価項目がないかも検索していく予定である。
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