2012 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度放射光のマイクロビーム照射が脳腫瘍を選択的に壊死させる機序について
Project/Area Number |
22591586
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
近藤 威 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 医学研究員 (50273769)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10379399)
甲村 英二 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30225388)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 高輝度放射光 / マイクロビームX線 / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
高輝度放射光設備(スプリング8)にて、マイクロビーム照射実験を継続して行った。 <目的>格子状マイクロX線照射は、これまでの我々の研究結果より、腫瘍組織内の低酸素状態および腫瘍神経血管の脆弱性により、選択的な効果を上げると考えられている。ところが、我々の実験では、脳内に移植したグリオーマ細胞と皮下に移植したグリオーマ細胞では治療効果が異なる(脳内環境の方がより顕著に効果がある)ことがわかってきた。これは、単に腫瘍の放射線感受性だけでなく、腫瘍周囲環境からの血管新生が因子となっていることを示唆しており、今回の実験では、両者をhypoxic probeを用いて比較した。 <試料名、実験方法など>皮下および脳内に同じ個数のC6ラットグリオーマ細胞を移植し、10-12日後にスプリング8に搬入する。マイクロビーム照射後に、低酸素状態を示すために、HypoxyProbeをマーカーとして投与した。 <測定内容・結果の概要>皮下に埋めこんだ腫瘍塊では図1に示すように格子状に照射したビームライン上のみならず格子の間にも一定の低酸素細胞が出現し、腫瘍血管が分断されることにより、即座に腫瘍塊が壊死に陥ることが示唆された。予想に反して、脳内移植細胞での照射後では、格子状の低酸素細胞の配列はきれいには観察できず、全般性に低酸素虚血細胞が島状に観察された。低酸素細胞に陥った面積を定量的に評価する予定であったが、壊死巣の再現性が一定でなく、観察のみでとどまった。これまでの可変式コリメータの結果と併せて、現時点で腫瘍内の新生血管は20-50um程度の幅のマイクロビームX照射に対して脆弱性が目立ち、一方で正常組織では血管内皮はこの程度の幅の障害には耐えうるものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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