2010 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマの予後を規定するマイクロRNAの同定と新たな治療戦略の構築
Project/Area Number |
22591610
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10379399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 賢在 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20452493)
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Keywords | グリオーマ / マイクロRNA / 予後 |
Research Abstract |
マイクロRNAは腫瘍形成、悪性化に関与していることが報告されており、グリオーマにおいてもマイクロRNAのさまざまな異常が報告されている。申請者はグリオーマの予後に関連するマイクロRNAを同定し、治療応用できるマイクロRNAの有無を検討することを目的としている。 悪性グリオーマにおけるマイクロRNAの発現異常を、マイクロアレイ解析、リアルタイムRT-PCRにて解析したところ、microRNA-10b, microRNA-21, microRNA-183, microRNA-92b, microRNA-106bで発現が亢進し、microRNA-302C, microRNA-379, microRNA-329, microRNA-134, microRNA-369-3pでは発現が低下していた。microRNA-10b, microRNA-183とも、low grade gliomaよりもhigh grade gliomaにおいて発現が亢進しており、グリオーマの悪性度と比較的よく相関していた。microRNA-183の標的となるmRNAを検討し、他の癌で報告されているPDCD4 (Programmed cell death 4)のグリオーマにおける発現を検討すると、A172,U87細胞ではPDCD4の発現が認められ、microRNA-183をグリオーマ細胞に導入して強制発現させると、PDCD4のmRNAの発現は低下した。このことから、グリオーマにおいてもmicroRNA-183の高発現によって、PDCD4の発現が低下して、アポトーシスに対する耐性が獲得される可能性が示唆された。現在、さらに解析を進めているところである。
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Research Products
(3 results)