2011 Fiscal Year Annual Research Report
グリオーマの予後を規定するマイクロRNAの同定と新たな治療戦略の構築
Project/Area Number |
22591610
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
篠山 隆司 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10379399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 賢在 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (20452493)
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Keywords | グリオーマ / マイクロRNA / イソクエン酸脱水素酵素 |
Research Abstract |
マイクロRNAは腫瘍形成、悪性化に関与していることが報告されており、グリオーマにおいてもマイクロRNAのさまざまな異常が報告されている。本研究はグリオーマに関連するマイクロRNAを同定し、治療応用できるマイクロRNAの有無を検討することを目的としている。 悪性グリオーマにおけるマイクロRNAの発現異常を、マイクロアレイ解析にて解析したところ、microRNA-183(miR-183)の発現上昇を認めたため、88例のグリオーマで腫瘍周囲脳との発現量を比較したところ、多くのグリオーマでmiR-183の発現が亢進していた。そのターゲットとして、相補性を検討したところ、IDH2(isocitrate dehydrogenase 2)を制御している可能性が分かったため、U251,A172,T98,U87グリオーマ細胞にmiR-183を導入してIDH2の発現量を検討すると、全ての細胞でIDH2の発現低下を認めた。これはルシフェラーゼアッセイでも確認でき、miR-183がIDH2を直接制御していることが分かった。miR-183 inhibitorを細胞内に導入すると逆にIDH2の発現は上昇した。IDH2はミトコンドリア内のTCA回路に関連する代謝酵素であり、エネルギー産生に関与するため、HIF-1aの発現にも関与している可能性があると考え、miR-183導入細胞でのHIF-1aの発現量を検討すると、miR-183を導入した細胞ではHIF-1aの発現が上昇していた。以上より、miR-183はグリオーマ細胞内においてIDH2の抑制を行い、HIF-1aの発現を亢進させ、血管新生やグルコース代謝に関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
グリオーマで高発現しているマイクロRNA183の機能解析が分かってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
マイクロRNA-183の機能解析について、IDH2との関係を含め解析していく。
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Research Products
(3 results)