2010 Fiscal Year Annual Research Report
ラット疼痛モデルにおける新規化合物DHLHZNの有用性の検討
Project/Area Number |
22591739
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
竹島 直純 大分大学, 医学部, 助教 (40305058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 健太郎 大分大学, 医学部, 助教 (60284808)
高谷 純司 大分大学, 医学部, 助教 (50537107)
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Keywords | 疼痛管理学 / 抗酸化物 / 新規化合物DHLHZn |
Research Abstract |
抗酸化物質がフリーラジカルの除去を促進させることにより、疼痛を抑制する可能性が指摘されている。今回、疼痛モデルで使用されているFCA (Freund's complete adjuvant:フロイント完全アジュバント)をラットの足底に投与し疼痛モデルを作成後、αリポ酸誘導体の新規化合物であるヒスチジンジチオオクタナミドNa/亜鉛(DHLHZN)を投与し、その有効性を検討することを目的として研究を行った。 初めにDHLHznの安全性を検討した。SD系雄性ラット(体重250-300g)を、生食投与群DHLHzn投与群に分け、セボフルレン吸入麻酔下に、前述の薬剤を1日2回皮下投与し、DHLHZn(10mg/Kg)投与では副作用が少なく安全である事を確認した。次に、DHLHznの同時投与での有効性を検討した。セボフルレン吸入麻酔下に、FCA(フロイント完全アジュバント)を0.15ml足底に注入して疼痛モデルを作成、同時に、生食投与群、DHLHZn(10mg/Kg)投与群に分け薬剤を皮下投与した。投与間隔は1日2回皮下注射とした。投与後より、連日プランターテストによる痛みの評価を行い、本薬剤が鎮痛効果を有するか否かについて検討したところ、DHLHZn(10mg/Kg)投与群で3日目以降で有意に逃避時間が延長した。足底組織標本を観察したところ、DHLHZn(10mgで/Kg)投与群炎症細胞の浸潤が抑制されていた。また、組織中の炎症の指標として組織中MPO濃度を測定したところ、DHLHZn(10mg/Kg)投与群でMPO濃度が低下していた。以上の事から、新規化合物DHLHZnは、抗炎症作用より鎮痛効果を有する可能性が示唆された。この内容の一部は日本ペインクリニック学会題44回大会で発表した。
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