2010 Fiscal Year Annual Research Report
疼痛が記憶学習に及ぼす影響の、行動学的及び中枢神経系での組織学・生理学的検討
Project/Area Number |
22591744
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小川 賢一 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (10233412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 博展 横浜市立大学, 医学部, 助教 (60404993)
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90381491)
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Keywords | 疼痛 / 記憶学習 / 海馬・扁桃体 / 術後鎮痛 / 電気生理学 |
Research Abstract |
平成22年度は術後痛モデル(Brennan's model)ラットに対する疼痛行動の評価を行った。4週齢の雄性SDラット(80-130g)に対しイソフルラン(2%)麻酔下に左後肢足底を長軸方向に1cmにわたって切開を加え、その下にある足底筋および筋膜を切離・縫合し、モデルを作成した。機械的刺激に対する疼痛閾値を調べると、疼痛閾値の低下は術後3日まで認められ、術後1週間ではほぼ完治してしまうことが判明した。このため、1週間以上の疼痛閾値の低下が見込める開腹術モデルを作成し、疼痛行動をvon Frey hairを用いて検討した。開腹モデルはイソフルレン麻酔下に剣状突起下を1.5cmの長さにわたって腹膜に至る切開を加え、4-0絹糸を用いて並走することによって作成した。しかし、足底に対する疼痛閾値の検討と異なり、von Frey hairを手術創部位に均等な力で当てることが困難であり、実験プロトコールそのものの検討が必要になった。同時に一試行受動的回避学習試験(inhibitory avoidance test : IA)の予備検討を行い、刺激強度が0.5mA,2秒間で十分に条件付けされることが判明した。しかし、その後横浜市立大学医学部動物実験センターの大幅な改修が行われることになり、疼痛行動の検討と同時にIAに関しても2ヶ月以上中断を余儀なくされた。
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