2012 Fiscal Year Annual Research Report
疼痛が記憶学習に及ぼす影響の、行動学的及び中枢神経系での組織学・生理学的検討
Project/Area Number |
22591744
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小川 賢一 横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (10233412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 博展 横浜市立大学, 医学部, 講師 (60404993)
紙谷 義孝 横浜市立大学, 医学研究科, 客員講師 (90381491)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 急性痛 / 記憶学習 / 海馬 / 忌避刺激 / 電気生理学 |
Research Abstract |
平成24年度は開腹モデルラットを用いて一試行受動的回避学習試験(inhibitory avoidance test: IA)を行った。生後5週目のSDラットを用い、1.8%イソフルレン麻酔下に剣状突起下腹部正中を1.5~2cmの長さの創で開腹し、創縁を手袋を装着した指で2回こすり、直ちに3-0絹糸によって2~3針の全層縫合によって閉創した。疼痛行動の評価は、直接創部を疼痛測定器具で刺激することはせず、ビデオモニターおよび行動量測定装置を用いて行動量が減弱したことをもって確認した。モデル確認を行った後、ラット開腹術を行った後2時間でIA testのコンディショニングを行い、24時間後にどれだけ足底への電気刺激を忌避刺激として記憶しているか(テストチャンバーに入らないか)を、テストチャンバーにラットが入るまでの時間で検討した。カットオフ値は600秒とした。コントロール群として、イソフルレン麻酔を1.8%イソフルレン麻酔に手術時間とほぼ同じ5分間暴露したものを用意した。その結果、当初の予想に反して、開腹モデルラットではIA testの潜時がコントロール群と変わりなかった(開腹群:320±20秒、コントロール群:325±15秒、各群n=15ずつ)。本試験ではイソフルレン1.8%を2時間にわたり吸入させると、1週間後で有意にテストチャンバーにラットが入るまでの潜時が短縮する( = 記憶障害が生じている)ことを当研究科の別の研究者が見出しており、本結果から開腹術のみの侵襲では記憶学習障害を生じない可能性が示唆された。現在、海馬組織を用いたグルタミン酸受容体に対するウエスタンブロッティングを行なっており、解析が済み次第論文として投稿する予定である。なお、本研究の成果の一部は第60回日本麻酔科学会総会にて発表の予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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